「ネットマーケティング最前線」

中小ECサイトに「エコ」の波
生き残りのカギは独自ブランドづくりと商品力

通販評論家 村山らむね氏に聞く

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2007年10月29日(月)

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 市場の成長に伴いEC(電子商取引)業界が変革期を迎えている。大手企業が本格参入し競争は激化の一途。アマゾンジャパンは取扱商品分野の拡大を続けており、10月には衣料品販売に参入した。楽天市場ではここ数年、衣料品メーカーや百貨店など大手の出店が目立つ。一方、先進サイトの中には「エコ通販」のキーワードを打ち出すなど、新しいマーケティング手法を模索し始めた。

 そこでEC業界に詳しい通販評論家の村山らむね氏に、業界の最新動向や中小ECサイトの生き残り策を聞いた。村山氏は、11月7日の「NETMarketing Forum Fall 2007」のワークショップ「伸びるECサイトはここが違う 商人の町、大阪3社の集客・販促戦略」のモデレーターを務める。

(聞き手は日経ネットマーケティング副編集長 杉本昭彦)


―― 今、EC業界で注目される動きは何でしょうか。

村山: 「エコ通販」は、今後1〜2年の話題になると思います。環境保護の取り組みを通販に取り入れたもので、地球、企業、消費者の“三方得”になるものです。ECサイトにとって利益を生む仕組みになり始めた、という印象を持っています。

 例えば、千趣会は10月から「宅配便エコポイント実験」を始めました。商品配達の際に、1回目の配達で受け取れば3ポイント、2回目なら1ポイントを提供します。環境に関心がある消費者が千趣会で買うきっかけになるし、配送を減らすことでトラックから排出される二酸化炭素を削減できます。モニターを募集したら想定を超える申し込みがあったので、予定よりも締め切りを早めました。

 「鎌倉ツリープ」は、鎌倉の情報・通販サイト。オーガニックな穀物や野菜、天然海藻類などを使い伝統的な調理方法で味付けをする手法「マクロビオティック」のケーキなどを扱っています。私が買い物したところ、梱包の緩衝材として古新聞紙を使っていました。普通なら、バラ状の発泡スチロールや空気入り緩衝材を使います。「食べ物に新聞紙?」と思うかもしれませんが、消費者からも積極的に受け入れられているそうです。

 納得する説明があれば、今までは「えっ」と思われた工夫でも支持されます。そういうことを受け入れる消費者が増えているのです。エコロジーは急速にマーケティングとの親和性を高めていると感じています。2年続きの猛暑で温暖化問題への意識が高まったことが背景にあるのかもしれませんね。

淘汰は進む、利用シーンの提案も必要に

――ECサイトで課題になっていることは何か。

村山: 売り上げは増えるが利益は上がらないという店も多いです。ある程度ネットマーケティング手法を極めた企業は、運営体制や物流の効率化が求められています。また、EC業界は人手不足が、はなはだしいのが現状です。業務に切れ目がなく、24時間営業の店をやっているようなもので仕事が過酷なためです。

 売り上げが立たず店を閉じる人もいますが、体や心の病でお店をたたむ人も少なくないと聞きます。

 お客さんを買う気にさせるだけでなく、社員をやる気にさせることも重要です。「NetMarketing Forum Fall 2007」では、パネルディスカッションに参加するECサイトと、働き続けてもらうため、成功感を共に感じるためにどういう工夫しているのかも議論できたらと思います。全社員の顔が見えるときと、大規模になったとき、それぞれの課題や工夫があると思うのです。

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著者プロフィール

杉本 昭彦(すぎもと・あきひこ)

日経デジタルマーケティング副編集長。「日経ネットナビ」(1996年〜2004年)、日本経済新聞社編集局産業部(2005年〜2007年)などでインターネット業界の取材を長年続け、2007年の「日経ネットマーケティング」(現日経デジタルマーケティング)創刊時より現職。執筆、編集活動に加えて、本誌公式Facebook、Twitterを担当して、実践の日々。

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