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米国で映画「バイオハザードIII」が大ヒット

ゲームの実写映画化シリーズの成功モデル

  • 中村 均

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2007年11月1日(木)

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 ハロウィン・シーズンが真っ盛りの米国で“日本生まれ”のコンテンツが大ヒットしている――と言っても「ポケットモンスター」や「NARUTO」といった子供向けアニメーションではない。カプコンが開発・販売するサバイバルホラーゲーム「バイオハザード」シリーズの実写映画化第三弾「Resident Evil: Extinction(邦題:バイオハザードIII)」だ。

 3作目となるこの映画。実は、回を重ねるごとにヒットの規模が拡大している。その理由を迫ってみよう。

映画「バイオハザードIII」

映画「バイオハザードIII」
主演:ミラ・ジョヴォヴィッチ 2007年11月3日より全国公開

 米国で9月21日に封切られたこの作品。興行収入ランキングでは前作に引き続き、初登場1位を記録した。しかも、その数字がすさまじい。

 本作は、当初のスクリーン(劇場)数が2828と、前作より456スクリーンも少ない。ところが、週末のオープニング成績は同シリーズ中最高となる2367万8580ドルを稼ぎ出しているのだ(前作「バイオハザードII アポカリプス」は2303万6273ドル)。

 一方、日本では11月3日から全国公開が決定。これまでの興行成績は1作目が21億円、2作目が26億円だ。全米では公開第5週目で5000万ドルを突破し、シリーズ最高の成績が見込まれている。配給元のソニー・ピクチャーズエンタテインメントは、「米国では過去シリーズを上回るのは確実。この流れを受けて国内の成績も過去最高を期待する」と強気だ。

原作ゲームは全世界で大ヒット

映画「バイオハザードIII」より

■ストーリー: 前作ラストから数年後の世界。全世界へと広がってしまったT-ウィルスの感染により、アンデッドに支配された地上は、砂漠へと変化。アリスはクレア・レッドフィールド率いる生存者一団を守るため、ウィルスが広がっていないとみられる安息の地アラスカを目指す。一方、T-ウィルスの研究を進めるアンブレラ社は、アリスのクローンを使って実験を進めていた。その野望を阻止せんとアリスは、アンブレラ社の地下極秘研究所に向かう。そして、そこには最強の敵タイラント(ゲームキャラ)と、アリスのクローンたちが待っているのだった・・・・・・。

 映画の原作となったゲームは、カプコンが1996年に第1作「バイオハザード(海外タイトル:Resident Evil)」をリリース。今でこそ大人気だが、発売当初はあまり注目されたゲームではなかったという。

 IGDA(国際ゲーム開発者協会)日本代表でゲーム業界に詳しい新清士氏によると、「発売された当時は、大ヒットと呼ばれるほどのセールスを記録しなかったが、口コミでじわじわと本数を増やしミリオンセラーを達成した。ゲームの特徴は、プレイヤーがリアルに“恐怖”を感じさせる演出の秀逸さ。全世界でもこの“新しい視点”が評価され、大人気を博した。その結果、シリーズ化され、カプコンの看板シリーズとして開発が続けられている」。

 1作目以降、ナンバータイトルとしては「バイオハザード4」が現在までにリリース。ちなみに「バイオハザード5」はプレイステーション3とXbox360向けにHD品質(編注:ハイビジョン対応の高画質)で開発中だ。加えて外伝的なタイトルが複数存在し、対応ハードをマルチプラットフォーム展開していることなどから、全世界でシリーズ累計3300万本(2007年9月末時点)を販売した、世界的な大ヒットゲームなのである。

ポケモンに並ぶ大ヒット作品に

 これだけゲームが成功を収めていると、映画「バイオハザード」シリーズが好調な理由についても、「原作が大ヒットしたなら、映画もヒットして当然ではないか」という意見もあるだろう。しかし、映画ビジネスの世界はそう甘くない。

 まず、日本のゲームの実写映画化で「バイオハザード」シリーズに迫るのは、コナミのホラーアクションゲーム「サイレントヒル」の実写映画化版「SILENT HILL」(2006年)くらいだ。この作品は全米で4698万ドルの興収を稼ぎ出している。

 一方、同じホラーでもセガのアーケードゲーム「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」の実写映画化版「HOUSE OF THE DEAD」(2003年公開)は米国で1024万ドル、全世界でも1381万ドル止まりだ。

 また、ゲームの“代名詞”とも言える任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」も映画化されたが、興行成績からは“マリオ”の元気さは感じられない。1993年にデニス・ホッパーやランス・ヘンリクセンらをキャストに映画化した作品(邦題「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」)は全米で2091万ドルの興行収入しかないのだ。

 ちなみに、日本製コンテンツの代表格である「ポケットモンスター」の映画第1弾は米国で興行収入8574万ドルを稼ぎ出したが、2作目は4375万ドル、3作目は1705万ドルとなっている。

 これに対して「バイオハザード」シリーズは1作目が4011万ドル、2作目が5120万ドルの実績だ。そして、3作目はすでに5000万ドル(公開5週目時点)を超えた。現時点で、それぞれのシリーズ3作品の興行成績を合計すると、いずれも1億4000万ドル台の規模となり、ほぼ肩を並べる。

    日本のゲーム原作の映画作品 米国興行収入ランキング    (単位:万ドル)
  作品タイトル 米興行収入
1 Pokémon: The First Movie(ミューツーの逆襲) 8574
2 RESIDENT EVIL:APOCALYPSE(バイオハザードII) 5120
3 SILENT HILL(サイレントヒル) 4698
4 Pokémon: The Movie 2000(幻のポケモン ルギア爆誕) 4375
5 RESIDENT EVIL(バイオハザード) 4011
6 STREET FIGHTER(ストリートファイター) 3342
7 FINAL FANTASY:The Spirits Within(ファイナルファンタジー) 3213
8 SUPER MARIO BROS.(スーパーマリオ 魔界帝国の女神) 2091
9 Pokémon3: The Movie(結晶搭の帝王ENTEI) 1705
10 HOUSE OF THE DEAD(ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド) 1024
米ボックスオフィスモジョのデータなどから作成

ポイントは「ゲームを離れる自由度を認めること」

 こうした実績から見ても、映画「バイオハザード」は、日本のゲームを海外で実写映画化する、成功モデルだと言えよう。

 この成功を支えたポイントは4つある。

 まずは原作ゲームのポテンシャルの高さが挙げられるだろう。二つ目は監督や脚本を担当したクリエーター(ポール・W・S・アンダーソン氏)の才能である。

 また、シリーズすべてにかかわるプロデューサー(サミュエル・ハディダ氏)の存在も大きい。なぜなら欧米の映画ビジネスの舵取りは、クリエイティブ面も含めてプロデューサーが実権を握っているからだ。実は前出の映画「SILENT HILL」もハディダ氏がプロデューサーを務めている。

 そして最後に、何と言っても映画の製作サイドとゲーム原作者(カプコン)が互いの立場を理解し、築き上げた良好な関係にこそ最大の理由がある。

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