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実感なき景気拡大の背後にあるもの

  • 神谷 秀樹

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2007年12月3日(月)

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 日本においては「おもてなしの心」が退化するとともに、仕事に対する尊敬や感謝の念もなくなってきたという声を聞く。ここにはどうやら大きな社会問題が潜んでいるようだ。

 実は前回の「顧客のおもてなしを忘れたマイレージ」について述べた原稿は、発表前に、日本のとある上場する小売業に勤める友人に、批評を聞こうと思って読んでもらった。彼から返ってきた感想はこんなものだった。

 「自分の会社には残念ながら『おもてなしの心』はない。それは会社が社員を大切にしないことに始まっている。会社が社員を大事にしないところで、いくら上が社員に『お客様を大事にしなさい』と叫んでも、社員には虚ろにしか響かない。モノ余りの時代、商品の魅力だけでモノを売ることは難しく、売り手の顧客に対する気遣いは、売り上げを伸ばしていくうえでは重要な要素になっているのは確か。しかし、会社の上層部には、バブル時代に生まれたいいモノさえ並べていれば売れるという考えが根底にある。そのせいか、ここ数年顧客のクレームは増大するばかり」

 実際にこの会社の業績は低迷し、赤字が続き、株価も低下、今後の見通しも暗い。我が友人は、「生産者主体の経営体制」を、どうにかして「消費者主体の経営体制」に改革し、「おもてなしの心」を社員に身につけさせる社内革命を起こさんと奮闘している。

「腰掛け」社員を生み出す愚

 彼の言葉には重要な示唆がある。会社が社員の仕事に敬意を払い、感謝し、報うということが欠如しているのが、「おもてなしの心」が欠如するそもそもの原因だと言うのである。うなずけるところがある。日本の会社では、近頃「正社員」は全体の3分の1くらいだそうだ。3分の2は「腰掛け」に過ぎない。

 会社側からすると「人件費、労務費が固定費から変動費に変わり、景気または業績によって人は簡単に増減ができることから、経営効率は上がる」ということなのかもしれない。非正社員にとっては、自分のライフスタイルに合わせて、好きなように働けるということもあるかもしれない。フリーターと呼ばれている人は、そうなのかもしれない。

 しかし、非正社員の中には、リストラや出産や介護、転勤が難しいなどどうしても正社員の勤務体系で働けなくなった人もいる。こうした人たちは働く意欲や能力がいくら高くとも、“個人の事情”によって正社員として働くことを許されず、非正社員として扱われる。正社員とさほどの違いもないのに、片や固定給が保障されボーナスもあり、片や時給という扱いを受ける。こうした差別を受けながら、正社員と同じようにやる気や志気を高めろというのは酷ではなかろうか。

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