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ウルトラ復活作戦 第一号
~ウルトラマンビジネス、ゲーム×CG×BSで再生へ

  • 中村 均

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2007年11月29日(木)

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 「今年のウルトラマン関連商品は大変好調。上期(4-9月期)は前年同期比で140%の売り上げを見せている」とバンダイの柴崎誠副社長は胸を張る。これはウルトラマンシリーズの新番組と関連するカードゲームの合同発表会での発言だ。

 実は、ここ数年バンダイナムコグループのウルトラマン関連ビジネスは低迷。同様にテレビ番組などの映像を制作する円谷プロダクションの経営も厳しい状態が続いていた。

 だが、今年に入って両者共に復活の兆しが見え始めている。今回はウルトラマンビジネスの復活と円谷プロの再生に関する動きを追ってみる。

存在感がなくなっていたウルトラシリーズ

 ウルトラマンシリーズ(以下ウルトラシリーズ)は、1966年に初代の「ウルトラマン」がテレビ放映されて以来、子供たちに人気の定番キャラクターの一つだ。その当時、テレビにかじりついていた子供たちも今ではもう40~50代。40年を超える時を経たことで、親子二世代から三世代にわたって知られるキャラクターになろうとしている。

 だが、このような高い認知度にもかかわらず、主要な商品を販売するバンダイナムコグループにおけるキャラクター別売り上げランキングでは、ここ数年存在感が薄くなっていた。

 同グループの2006年度の売上実績を見ると、1位はガンダムシリーズの545億円。2位は「ゴレンジャー」から脈々と続く“スーパー戦隊シリーズ”の320億円。3位にはオリジナルキャラクターの「たまごっち」が311億円と続く。そして4位は205億円の「ドラゴンボール」がいまだにその強さを見せている。

 一方、肝心のウルトラシリーズは、上位キャラクターから大きく水をあけられ、54億円にとどまる。

 ガンダムシリーズの545億円は、最近の関連ビジネスの隆盛を見れば納得できる規模だ。しかし、ウルトラシリーズの50億円台の数字は、本当にキャラクターの商業的な実力を正確に示したものなのだろうか――。実は、ウルトラシリーズは過去に100億円を超える規模を誇ったときもあったのである。

需要の一巡と視聴者ニーズへの対応不足が原因

 ウルトラシリーズは、「ウルトラマン80」(1980~81年)の放送終了後、しばらくテレビシリーズの製作が中断していた。

 約15年ぶりの再開となったのが、1996年放送の「ウルトラマンティガ」だ。この作品は、従来のシリーズにあった「M78星雲から来た宇宙人」という設定から離れたもので、その後のシリーズもしばらく、この路線を踏襲することになる。

 設定が異なるとはいえ、久しぶりのテレビシリーズとあって各種メディアでの注目度は高く、子供たちをはじめ親世代の間でも話題が沸騰。これに続いた「ウルトラマンダイナ」「ウルトラマンガイア」を含めた3作品は、おしなべて人気が高く、バンダイが販売する玩具も好調な売れ行きを見せた。実際、90年代末のバンダイ(ナムコとの統合前)におけるキャラクター別売り上げランキングではトップクラス。最盛期には152億円までに達していたのだ。

 だが、3年ほどで“復活需要”は一段落。2001年に放送が始まった「ウルトラマンコスモス」以降は、視聴者サイドのニーズを映像製作側が十分につかむことができず、シリーズの人気は低迷する。同様に玩具の需要も落ち込んでいくことになった。

 もともと、ウルトラシリーズの視聴対象層は未就学児が中心だ。ただし、低年齢の子供とはいえ、昔とは違い目が肥えている。家庭のテレビのスイッチをつければ、ハイレベルな技術を駆使した映画やアニメを容易に見ることができるし、触れる情報量は40年前とは比べものにならないほどの差がある。こうした状況で、“着ぐるみの怪獣とウルトラ戦士の戦い”という映像だけでは、最近のアニメやCG(コンピュータグラフィックス)映画に慣れた子供たちへの訴求力は強いとは言えないだろう。

 さらに、この層を狙ってウルトラマン以外に大量の子供向け番組や各種商材が存在することも苦戦する理由の一つだ。とりわけ同様の実写特撮コンテンツとして、同じバンダイの商材でもあるスーパー戦隊シリーズや、2000年以降復活した仮面ライダーシリーズが競合してしまう。東映が映像を製作するこれらの作品は、早くからCGと実写の融合やキャスティングなどに工夫を凝らしており人気は堅調だ。結果的に、玩具売り場におけるウルトラマンの棚を奪う格好になっている。

子供の遊びの変化に応え、ゲーム関連商材を投入

 落ち込みの理由はこれだけではない。大きな要因として、子供たちの遊びの変化も挙げられる。かつては子供が遊ぶ玩具といえば、人形やプラモデルといった“玩具らしい玩具”が中心だった。しかし、今はテレビゲーム(携帯型含む)が市場の大半を占めている。

 バンダイナムコのキャラクター商品でも、巨大ロボット、ヒーローの武器やビークル(ヒーローの乗り物)といった玩具中心で大きく稼ぐのは、スーパー戦隊シリーズくらい。“ガンプラ”が有名なガンダムシリーズでさえ、今ではゲームとDVDの売り上げが占める割合が高くなっている。「たまごっち」や「ドラゴンボール」に至っては、ゲームの売り上げが大半を占める。

 ウルトラシリーズの場合は、メインの商材となるのは定番のウルトラヒーローや怪獣などのソフビ人形やビークル関連。子供向けゲームの関連商材に乏しいことから、変化する市場の中で、数字を伸ばすことが年々難しくなっていたのである。

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