• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「クールジャパン」を狙うハリウッド(1)
~スパイダーマンのプロデューサー、アビ・アラド氏

「マンガの映画化には1本160億円以上かける。日本じゃちょっと難しいだろ?」

2007年12月4日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米ハリウッドが日本のアニメ、マンガに急接近している。日本のアニメ、マンガが持つストーリーの豊かさやキャラクターの魅力に気づき、それを原作として取り込もうとする動きだ。

 日本のアニメ、マンガ業界にとってメジャー・デビューのチャンスである。だが喜んでばかりもいられない。浮かれていると、イチローや松阪大輔を引き抜かれて人気低迷に悩む日本のプロ野球の二の舞になる。

 世界が注目するクールジャパンはどこへ行くのか。キーパーソンのインタビューでその行方を探る。第1回は映画「スパイダーマン」シリーズを育て上げたハリウッドの敏腕プロデューサー、アビ・アラド氏。彼もまた、日本のアニメ、マンガにぞっこんだと言う。

(日経ビジネス2007年12月3日号特集「ハリウッド 日本アニメを呑む」もぜひお読み下さい 購読のご案内はこちら

―― アラドさんはマーベル・エンタテインメントの会長として、「スパイダーマン」シリーズ、「超人ハルク」など数々のヒットを飛ばしてきました。そのアラドさんが2006年にマーベルを辞めた。理由は何ですか?

アビ・アラド氏

Avi Arad(アビ・アラド)氏
アラド・プロダクション会長。米映画制作会社「マーベル・エンタテインメント」元最高経営責任者。超ヒット映画「スパイダーマン」シリーズの制作プロデューサーとしても有名。2006年から現職。最近は日本のアニメに興味を持ち、それらの映画化を計画している (写真:刀根 裕司、以下同)

アラド 人生の中で、そろそろ新しいことをやる時期だと思ったんだ。お金の問題じゃないよ。新しいコンテンツを生み出すことに挑戦したい。それが一番好きな仕事だからね。

 日本のマンガ、アニメやテレビゲームには昔から興味があった。何年か前にテツヤ(ギャガ・コミュニケーションズ元社長、現フィロソフィア・エンタテインメント・アライアンス社長の藤村哲也氏)と話していて、「これなんか、是非、映画にしてみたいね」と言ったら、テツヤは「間に合えばいいけど…」と言う。ハリウッドの他の会社が既に食指を伸ばしていたんだ。

 僕は目の前の電話を指差して「間に合うさ。今、ここから電話すればいい」と言ったけど、当時、僕はマーベルの会長だったから、僕自身はマーベルと競合する日本のコンテンツには手が出せなかった。

―― アラドさんがマーベルを辞めてまで映画化したかった日本のコンテンツというのは、何ですか?ものすごく興味があります。

アラド 交渉がデリケートな段階にあるから、残念ながら今は言えない。話し合っているコンテンツは3本。ゲームソフトが2つとマンガが1つ。ゲームを映画化するのは、簡単じゃないけど面白い仕事だと思う。

 ゲームのファンってのは、うるさいからね。彼らが大好きなゲームを中途半端な映画にしたら、きっとものすごく怒るだろ。

 小説は登場人物がきちっと定義されているから映画にしやすい。ゲームの場合はキャラクターに命を吹き込まなくてはならない。何に悩んでいるのか、これまでどんな人生を歩んできたのか。ゲームにはそこまで書いてないだろ。

 でも映画化すれば大勢の人が劇場に足を運び、テレビ、雑誌、インターネットで広告が流れる。そのゲームの価値は飛躍的に上がるよ。

コミック市場、米国2億ドル、日本は50億ドル

―― 米国にもコミックはたくさんあります。実際、アラドさんはスパイダーマン、超人ハルク、X-MEN ファンタスティック4と米国のコミックを映画化して、次々にヒットさせました。なぜ今、日本のマンガ、アニメなんですか?

アラド 米国のコミック市場が20億ドルになることは未来永劫ない(現在、米国のマンガ市場は2億ドル)。こっちの友達に「日本のマンガ市場は50億ドルだ」と言っても、誰も信じないよ。「お前、気は確かか?」と心配されるのがオチだね。でもそれが現実。日本では地下鉄でみんなマンガを読んでいる。女の子も読んでいる。米国とは全く違うカルチャーだ。

 日本のマンガのストーリーは世界でも十分に通用するし、デザインは息を飲むほど素晴らしい。

―― しかし、そのままでは世界に通用しない。

アラド 文化の違い、みたいな部分はあるからね。日本のマンガは徹底的に日本的だろ。もちろん、中には「ポケットモンスター」みたいに、もの凄く日本的なキャラクターが、突然こっちで大流行することもある。あれは確かに数10億ドルも稼ぐ大ヒットだった。

 しかし、なぜポケモンがこっちで社会現象にまでなったのか。だれか説明できるかい?あのブームを再現する方法は誰も知らないんだ。我々はそういう日本の素晴らしいキャラクターを米欧の大衆市場に適応させる方法を知っている。

コメント0

「日経ビジネス リポート」のバックナンバー

一覧

「「クールジャパン」を狙うハリウッド(1)
~スパイダーマンのプロデューサー、アビ・アラド氏」の著者

大西 康之

大西 康之(おおにし・やすゆき)

ジャーナリスト

日本経済新聞産業部記者、欧州総局(ロンドン)、日経ビジネス編集委員、日本経済新聞産業部次長、産業部編集員などを経てフリーのジャーナリストに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官