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「クールジャパン」を狙うハリウッド(2)
~ローゼン閣下こと麻生太郎、中国脅威論を一蹴

「あの国から面白いコミックが出てくるとは思わない」

2007年12月6日(木)

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第1回から読む)

 2005年から2007年まで外務大臣を務めた自民党の麻生太郎氏は、マンガ文化のよき理解者として知られる。外務相時代には国際漫画賞を創設した。経済一辺倒で尊敬されない「金持ち日本」から、「世界に一目置かれる日本」に飛躍する上で「マンガ、アニメは大きな武器になる」と説く。

(日経ビジネス2007年12月3日号特集「ハリウッド 日本アニメを呑む」もぜひお読み下さい 購読のご案内はこちら

―― 麻生さんは今も本当にマンガをお読みになっているんですか?

麻生太郎(あそう・たろう)氏

麻生太郎(あそう・たろう)氏
1940年生まれ、67歳。学習院大学政経学部卒業、麻生セメント社長を務めた後、1979年に衆議院議員に当選。総務大臣、外務大臣、自由民主党幹事長などを歴任した。 (写真:村田 和聡)

麻生 読んでますよ。これはもう、義務として。

―― 若い人たちは、麻生さんのことを「ローゼン閣下」と呼んでいるみたいですね。

麻生 たまたま空港でね。「ローゼンメイデン」というのは少女マンガ風の作品で、どんなものかなあと思って読んでいるところを誰かに見られたんだな。

―― マンガ、アニメといった日本のコンテンツが世界の注目を集めています。

麻生 米タイムズ誌が2003年に「アジアはJポップス、Jファッション、ジャパニメーション(日本のアニメ)の3Jに席巻されている」と書きました。表紙は椎名林檎ですよ。ある人に「椎名林檎を知ってるなんて偉い」とほめられたけど、あれは娘に教えられたんだな。

 それはともかく、最近、ニューヨークの高級な寿司屋に行くと、マグロは「TUNA」ではなく「TORO」と書いてある。

 英語で牛は「カウ」か「ブル」だけど、レストランに行くと(フランス語で成肉牛を意味するブッフを語源とした)「ビーフ」になる。あれはフランスの食文化に対する尊敬の現われでしょう。そう考えると日本の文化的な立場というのも、確実に上がってきている。「カワイイ」や「モッタイナイ」もそのまま英語で通じるようになった。

 飯倉公館にご招待する外国のお客さんに「何が食べたいですか」と聞くと、ほとんどが「日本食」と言う。だから外務大臣は週に3回か4回、懐石料理を食べることになるんだけど。皆さん日本通で、ハシの使い方なんか、日本の若者よりずっとうまいからね。

―― 昔、阪急グループの創始者、小林一三氏が、国には「憐れみを受ける国」「可愛がられる国」「尊敬される国」の3つのステージがある、と言いました。
 いま「クールジャパン」と言われているのは、まだ面白がられている段階で「尊敬される」レベルに至っていないのではないでしょうか。

給水車のタンクに「キャプテン翼」を描く

麻生 尊敬される条件というものがあるよね。子供の頃、学校の外で尊敬されるのは腕力の強い番長、教室で尊敬されるのは勉強ができる級長と相場が決まっていた。腕力がなくて勉強もできない金持ちの子というのが一番いじめられる。自分が金持ちのセガレだったから、そのへんはよく分かる。金持ちは好かれませんよ。

 国も同じなんですね。腕力は軍事力、勉強が文化水準、お金は経済力。お金だけの日本は一番いじめられるタイプだった。最近ようやく、ちょっと勉強もできるようになって一目置かれ始めた。自衛隊はインド洋沖の給油活動が認められ、イラクでもその規律の高さが評判になった。力もついてきているわけだ。

―― 勉強で一目置かれるようになる過程で、マンガやアニメが果たした役割は大きいというのが麻生さんの持論ですよね。

麻生 そう。日本の自衛隊が復興支援していたイラクのムサンナー県というところでは、タンクに「キャプテン翼」の大きなステッカーを張った給水車が走ってますよ。日本のODAで提供した車です。

 最初は「タンクに大きく日の丸を描く」というから、僕はこう言った。「君たち、ぱっと見てイラクとイランの国旗の区別がつくか」と。それでイラクの人たちが知っている日本のものは何か、と聞いたら「キャプテン・マージド」だと言う。「キャプテン翼」をあちらではこう呼んで、大人気なんですね。じゃあそれで行けと。キャプテン翼の給水車はまだ一度も襲撃されてませんからね。

コメント5件コメント/レビュー

イラクの給水車にキャプテン翼のステッカーが貼ってあるなんて知りませんでした。素晴らしい発想だと思います。確かに日の丸よりよっぽどインパクトあるし、何より戦場にいる子どもたちが絶対喜びますよ。大人になっても忘れないと思う。戦争は所詮、大人の都合。不遇な環境にいる子どもたちに、一時でも笑顔が戻ってくれてると思うと、麻生さんのアイディアでどれだけの子が救われたかと思います。他の政治家や企業にもこうゆうアイディアが出てくるといいですね。(2007/12/07)

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「「クールジャパン」を狙うハリウッド(2)
~ローゼン閣下こと麻生太郎、中国脅威論を一蹴」の著者

大西 康之

大西 康之(おおにし・やすゆき)

ジャーナリスト

日本経済新聞産業部記者、欧州総局(ロンドン)、日経ビジネス編集委員、日本経済新聞産業部次長、産業部編集員などを経てフリーのジャーナリストに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

イラクの給水車にキャプテン翼のステッカーが貼ってあるなんて知りませんでした。素晴らしい発想だと思います。確かに日の丸よりよっぽどインパクトあるし、何より戦場にいる子どもたちが絶対喜びますよ。大人になっても忘れないと思う。戦争は所詮、大人の都合。不遇な環境にいる子どもたちに、一時でも笑顔が戻ってくれてると思うと、麻生さんのアイディアでどれだけの子が救われたかと思います。他の政治家や企業にもこうゆうアイディアが出てくるといいですね。(2007/12/07)

漫画を沢山読んでいるからこそ、今クールジャパンを牽引するために、漫画にどんな改革が必要か!?を理解し政策を進めていっているのだと思います。いつだったか、フランスのなんとか大臣に日本の漫画はポルノばかり、とか難癖つけられたときに、「日本の漫画はあらゆるジャンルがあります。フランスに来る漫画がポルノばかりというのは、つまり、あなた方が好んでそれらを輸入しているのですよ」と痛快な意趣返しをした事覚えていますが・・・・。よく知るものかつ政治家であり経営者でもある麻生氏こそ、日本の漫画・アニメを国際的競争力のある逸品に持っていける立役者だと思います。(2007/12/06)

政治家には、マンガを読むよりも、国民がマンガを読み描きする自由を守ることを切に望みます。戦後、何度も有害・悪書追放に政治家は駆り出されていますから。(2007/12/06)

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