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自分が損しなければOKで失う経済力

  • 神谷 秀樹

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2008年1月8日(火)

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 お屠蘇気分に酔っていたい新年だが、米国経済は今年、相当厳しくなるものと覚悟している。その理由はいくつもあるが、主だったものを列記するとこうなる。

 2008年に入り、原油は瞬間的に100ドルを超え、その他の物価の上昇も伴い、インフレ懸念を強くした一方、失業率は0.3%上昇し5%の大台に乗った。株価は大きく下落している。

 昨年世界を震撼させたサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題は、一言で言えば、「無責任融資システム」とでも呼ぶべきものだ。こうした融資は、サブプライムローンに限らず広がっている。

 無責任融資システムというのは、金融機関が元本の返済を前提にしない融資のことだ。このシステムでは、融資を起こす者、融資を何本も束ねていくつかの投資商品をつくるパッケージ屋、その投資商品に投資する者で構成される。

 融資を起こす者は、例えばモーゲージ・ブローカーのような存在で、彼らはただ借入人を見つけ、契約することだけが仕事だ。資金の回収は、彼らの仕事ではない。起こされた融資は、それを何本も束ねるパッケージ屋に売られるからだ。

 このパッケージ屋は、融資を束ねたいくつかの投資商品を作り、それぞれに格付けを受けるのが仕事だ。格付けされた商品は、転売してしまえばそこで仕事は終わる。格付けを得た証券は、主にSIV(特別目的投資会社)などの機関投資家に買われるだけだ。

 この構造の特徴は、パッケージ屋、格付け会社、そして投資家も、誰一人として借入人の顔を見ることはないことだ。こうして「ほとんどまともに審査しない融資」があらゆる金融商品となって、それが最終的に誰のバランスシートに載っているのか分からない状況になっているのが、昨今の融資の現状だ。

ドル基軸体制の終わりの始まり

 米国ではLBO(相手先資産を担保にした借り入れによる買収)ローン、商業不動産ローン、自動車ローンなども焦げ付きが目立ってきた。2007年9月以降、CMO(商業用不動産などの抵当証書担保付き証券)は全く発行されてなく、ニューヨークのビルの売買も完全に止まった。金融はそこかしこで麻痺し始めており、住宅価格の一層の下落と、消費の停滞、景気減速に伴い、今後ますます腐って行くローンが増えるのは不可避である。

 金融商品が証券化され、流動化するとともに、信用力は下落しており、ババ抜きゲームのようになってきた。参加者が多く、その多くが財務省や金融庁の監督下にない。最後にババを引くのは誰だろうか。結局は納税者に押しつけられることに、なりかねないようだ。

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