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他人を生かすジャズコンボ型リーダーになるのは本当に難しい

2007年12月14日(金)

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 少し前にこのコラムで、オーケストラとジャズの話を書いたところ、いろいろなところでご感想やご意見をいただいた。企業の付加価値が、次第に「人間の知恵」の生かし方に集約してきていることから、多くの方の関心をひいたのだと思う。ありがとうございました。

 さて、その中でも触れたが、組織やリーダーシップのあり方を、オーケストラとジャズに例えて考え直す、というのは、目新しい話ではない。そういう論考のおそらく最初のものの1つに、ボストン コンサルティング グループの前々CEO(最高経営責任者)、ジョン・クラークソンが1990年に書いた、「Jazz vs. Symphony」という小論がある。

 この主要な論点は、以下の2点だ。

(1)(より知識集約型になりつつある現代企業では)指揮者が統率するオーケストラ型のリーダーシップではなく、ジャズ型のリーダーシップが必要になってきた。
(2)ジャズ型リーダーシップの要諦は、メンバーの個性と潜在能力を存分に発揮させることにある。

 私のコラムも、これを踏まえたうえで次のようなことを述べた次第だ。

(3)ジャズ型の場合、まず、(ジャズコンボのリーダー選定も含め)どういうメンバーを選び、どう組み合わせるか、というプロデューサー機能が最も重要となる。
(4)したがって、意味のあるメンバー選択を可能とするために、経営者が中核人材を深く知り、理解することに時間を使うことが必要となる(経営者自身がジャズコンボのリーダーになるとは限らない)。

命令型のリーダーと奉仕型のリーダー

 上記の論点(2)については、その後もいろいろと面白い議論がなされている。代表的なのは、「サーバント・リーダーシップ」という考え方だ。ジェームズ・ハンターの同名の書や、最近神戸大学の金井壽宏先生と元資生堂社長の池田守男さんが出された本をお読みになった方も多いだろう。サーバント・リーダーシップの定義方法はいろいろあろうが、要は「命令型のリーダーではなく、奉仕型のリーダーが、人を育て組織を強くする」という考え方である。

 「人間の知恵」を集約し、活用することで得られる付加価値が重要になればなるほど、その「人間たち」が、自分のポテンシャルを最大限発揮し、自己実現する手助けをすることが、リーダーの究極の仕事となる。そのためには、「命令型」で有効だとされてきたやり方とは異なるスタイル・仕事の仕方を、一から学び直す必要がある。こういった論が、ジェームズ・ハンターが小説形式で語りたかったことだろう。

コメント7件コメント/レビュー

ボストンコンサルティングを志望する学生は、典型的な日本人会社員とは言いがたい。ジャズコンボ型リーダーになるためには、個々のプレーヤーが自律して即興演奏する能力があり、そういう企業文化があることが前提だ。しかし多くの日本企業の文化は決してモダンジャズ型ではなく、良くてもビッグバンド型、殆どの場合はジャズ型でさえなく、「お囃子」型だ。お囃子には明確なリズムさえなく、「あ・うんの呼吸」で拍子を合わせる。欧米型の企業文化を前提にした議論は、いまだに「付き合い残業」のような集団主義・同調圧力が残っている一般的な日本企業には、まったく無意味である。そのことを筆者には自覚して頂きたい。(2007/12/20)

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「他人を生かすジャズコンボ型リーダーになるのは本当に難しい」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ボストンコンサルティングを志望する学生は、典型的な日本人会社員とは言いがたい。ジャズコンボ型リーダーになるためには、個々のプレーヤーが自律して即興演奏する能力があり、そういう企業文化があることが前提だ。しかし多くの日本企業の文化は決してモダンジャズ型ではなく、良くてもビッグバンド型、殆どの場合はジャズ型でさえなく、「お囃子」型だ。お囃子には明確なリズムさえなく、「あ・うんの呼吸」で拍子を合わせる。欧米型の企業文化を前提にした議論は、いまだに「付き合い残業」のような集団主義・同調圧力が残っている一般的な日本企業には、まったく無意味である。そのことを筆者には自覚して頂きたい。(2007/12/20)

なるほど、と膝を打つと同時に、この二つの相反する資質を是非とも手に入れたいと思った32歳です。自分はロック好きでバンドでドラムを叩いているのですが、長年やってつくづく思うのは正に、この二つの資質が無いバンドは持たないということです。リンゴ・スターより上手なドラマーは幾らでも居るが、あのビートルズという組織では、リンゴで無ければ個性の強い3人とアンサンブルなど出来なかっただろう、と真相は知りませんが同じ立場を経験し、強く感じていましたので。但し、ドラムだけではなく時にはコンポーザーに、プロデューサーに、リーダーになっても良いんだと思いますし、そうなるべきです。そうやってメンバーがマルチに活躍できるバンドの方が、アンサンブルに無限の可能性が広がりそうですし。他の方も言っておられますが、願わくばこのような役割を評価する方法の確立と普及でしょうか。(2007/12/18)

確かに若い時は、自分を前面に出す行動を求められる事が多いと思います。そんな人がリーダーになった途端、自分を殺すスタイルを求められても難しいですね。声が大きいだけの命令型リーダーでは誰もついてゆきません。若い時から自分を前に出すだけでなく、時には殺す訓練も必要ですね。(2007/12/14)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長