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「知財戦略」に欠かせないのは、「料理人」

新しい価値を生む組み合わせを探そう

  • 常盤 文克

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2007年12月25日(火)

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 前回は知の断片化による余弊や、知の統合における「情」の重要性を指摘すると同時に、小さな知を互いに関連づけながら大きな知に育て上げていくことが、「知の統合」につながるのだとお話しました。今回は、知を統合していく上での考え方や、イメージの描き方をお話したいと思います。

 知を統合するといっても決して大げさなことではなく、まずは小さな知と知を結びつけていくことです。かといって、ただ知を並べるだけでは単なる寄せ集めにすぎません。小さな知を有機的に結びつけて、相乗効果を生みながら1つの知のシステムを作っていくことが重要なのです。

 この作業は、料理づくりに似ていると私は思っています。

 同じ素材(肉や魚、野菜など)でも、和食や洋食、中華料理など様々な料理ができます。それに、和食や洋食と一口に言ってもこれまた様々で、料理人の腕前によって出来上がったものの味や見映えが違ってきます。

 これは知に関しても同じことが言えます。小さな知の断片は、いわば一つひとつの素材です。それらをどう組み合わせて統合していくかは、料理と同じように人によって違ってきます。つまり、同じ知の素材であっても、その人の持つ哲学やものの考え方、また何を目指しているかによって大きく変わってきます。知をどう組み合わせるか、ここが勝負のしどころなのです。

薬にも、王様がいて、家臣がいる

 それでは実際に、どんな素材をどう組み合わせればいいのでしょうか。中国の漢方に、「君・臣・佐・使(くん・しん・さ・し)」という調薬(生薬の配合)の基本があります。これは調薬の際に、効能の柱となる薬(君)とその効果を高める薬(臣)、副作用や発熱といった負の効果を抑える薬(佐)、そして薬の全体を調和させて飲みやすくするなどの役割を持つ薬(使)の4種類を組み合わせるやり方です。

 生薬を単独で使うのではなく、複数の生薬の持ち味を生かして上手に配合すれば、それぞれの効果をさらに高められるというわけです。これはちょうど、いい君子を大臣がしっかりと支え、能吏が大臣をよく補佐し、そして召使いが下働きで皆を助ける仕組みに似ています。こうした人たちが力を合わせれば国はよく治まる、といったところでしょうか。

 つまり、知を統合していくには、漢方を調合するように何を柱(君)にするのかを決めて、そこに様々な別の知(臣・佐・使)を組み上げていけばいいのです。企業においても、各部門にある知を孤立させていては、大きな効果や価値は生まれてきません。ここが知のマネジメントで大事なところです。

 同じような発想は、インド医学におけるハーブ(薬草)の配合にも見られます。ハーブ一つひとつの効果は小さくとも、多様なハーブを上手に配合すれば大きな効果を発揮するという考え方で、これを「コンステレーション(constellation)」と呼びます。この言葉は「配列」という意味なのですが、ほかに「星座」という意味も持っています。それはちょうど、冬の夜空に輝く小さな星の数々に夢や思いを寄せて見ていると、美しい星座(星の配置)が浮かび上がってくるイメージでしょうか。知も配列の仕方によって新しい価値が生まれてくるのです。

 ここでもう一つ、知の「相性」ということに触れておきたいと思います。

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