12月も後半に入り、2007年のアニメ作品のヒットの模様が見えてきた。
まずは映画興行だ。こちらは毎年恒例の「ポケモン」「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」という東宝の看板シリーズのヒットに加えて、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」が小規模の配給にもかかわらず予想外の健闘を見せ、9月最初の週末ランキングで1位を獲得。「ヱヴァ」が持つブランドのパワーを証明した。
ただし、目立ったトピックはこれくらい。「ヱヴァ」以外で、話題となる動きはほとんどなく、関係者の期待が高かった「ベクシル 2077日本鎖国」や「EX MACHINA-エクスマキナ」といったCG技術を駆使した作品も、残念ながら“新しい時代の流れ”を生み出すまでには至らなかった。
一方、アニメビジネスの“主戦場”であるテレビ放送の世界はどうだったのだろうか。

AT-X取締役 中村直樹氏
「ここ数年、セルDVDでの売り上げを見込んで、テレビアニメが大量に製作されてきたが、ハードディスクレコーダーの普及などの影響で、売れるものと売れないものの差は広がる一方だ」
と、AT-X取締役の中村直樹氏は語る。
「ちょっと前までは映像クオリティに少々問題が合っても、それが“商品”として市場に出てしまうことがあった。しかし、もはやそういう作品は通用しない。見方を変えれば、粗製濫造されてきたものが淘汰され、市場が健全になる過渡期なのかもしれない。とはいえ、業界としてみれば“冷や水”を浴びせられた状況だ。これを機に初心に帰って、映像ビジネスの事業基盤をどうするのか考えるべきだろう」
オリコンランキングTOP20に2007年のテレビ新作は1つもなし
オリコンがまとめた2007年のアニメDVDランキングを見ると、昨年(2006年)公開された宮崎吾朗監督の「ゲド戦記」が首位に立っている。新人監督であることから、彼の演出についての評価は様々だったが、さすがにジブリブランドだけのことはあり、その強さを見せ付ける格好となった。
そして本作を含めた上位6作品は、いずれも劇場アニメのDVD。しかも「シュレック3」を除くと、すべてウォルトディズニースタジオ・ホーム・エンターテイメント(旧:ブエナビスタ・ホーム・エンターテイメント)が販売するものばかりである。
一方、テレビアニメ作品も一部の作品シリーズや制作スタジオに偏っている傾向が見られる。具体的なタイトルとしては、7位の「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」を筆頭に、「コードギアス 反逆のルルーシュ」「機動戦士ガンダム」というサンライズの3作品に加え、「The World of GOLDEN EGGS」「涼宮ハルヒの憂鬱」がランクイン。タイトル数は11本あるが、シリーズ単位で見ると5シリーズしかない。
さらに、問題なのが、2007年に放映がスタートした作品は1つもないことだ。
11位のファーストガンダム(「機動戦士ガンダム」)は言うに及ばず、「ガンダムSEED DESTINY」や「涼宮ハルヒ」などの作品も、2006年以前に放映あるいは放映開始されたものだ。
このアニメDVDランキングが示した事実は、2007年のテレビアニメ市場の元気のなさを改めて裏付ける結果となっている。
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(集計期間:2006/12/25〜2007/12/16)
「オリコン調べ(oricon.co.jp)」
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