• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

アメリカの陽はまた昇る

ブッシュの8年間だけですべてを語ってはいけない

  • J・W・チャイ

バックナンバー

2008年1月10日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 最近、メディアの報道は米国の凋落論一色に染まっている。イラクの失政、格差の拡大、経済の失速など、耳にするのはネガティブな話ばかり。その一方で欧州、中国、産油国などの台頭がしばしば話題になる。

 確かに2001年の同時多発テロ以降の米国はどこかおかしい。世界中でジョージ・ブッシュ政権の強引さがひんしゅくを買っている。ブッシュ批判については、私も反論の余地がない。京都議定書の批准を拒否した行為など、米国に住む1人として恥ずかしい。米国内には今の政権を批判しないとインテリとは思われないような雰囲気もある。

米国以外に世界をリードできる国はない

 しかし、そんな時だからこそ、私はあえて言いたい。米国は必ず復活するはずだ。決して感情論で言っているのではない。客観的に見て、米国以外に世界をリードできる国や地域が存在するとは思えないのだ。

 もちろん、これから1~2年は、サブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題を背景にした経済の失速もあって、米国の勢いはさらに萎えるかもしれない。しかし、このまま米国が凋落し、それに他国が取って代わるような状況は考えにくい。

 まず欧州連合 (EU) だが、宗教、文化、経済水準が異なる27もの加盟国が、意見の「最大公約数」をまとめ、1つの価値観を世界に提示していくのは、口で言うほど簡単なことではない。27カ国の中には先進国もあれば、中・後進国もあるため、様々な利害が絡み合う。

 また現在、米国が悩んでいる不法移民の問題は、今後、欧州で最も深刻化する懸念がある。地域によっては、宗教や民族の対立も抱えており、非常に複雑な問題をはらんでいる。世界をリードする前に、域内対策で手いっぱいになるかもしれない。確かに今、欧州ユーロは強いが、いずれ揺り戻しが来るのではないか。

 次に中国。一握りの役人が13億の国民をコントロールする政治形態が今後も長期にわたって続くとは思えない。少なくとも世界に受け入れられる価値観ではない。今後、中国政府は民主化運動とのせめぎ合いを余儀なくされるだろう。今の中国にとって最大の敵は、情報統制を無力化する「ユーチューブ」のようなインターネットサイトかもしれない。

 台頭著しい東アジアには、日本、中国、韓国などを中心とした共同体構想もある。しかし、今も歴史認識を巡る対立が改善されないことを踏まえると、これらの国々が協調して政治的に動くのは難しい。今後はさらにこの地域から、多数の富裕層が誕生するだろう。だが、政治的にアジアが世界のリーダーになるとは今の段階では想像しにくい。

 中東を中心としたイスラム社会については宗教と政治の分離が進まない。先日もパキスタンで、ブット元首相が暗殺された。いくらオイルマネーを背景に発言力を強めていると言っても、現在の状況を見る限り、彼らの価値観が世界的に普遍性を持つことはないだろう。

コメント3

「J・W・チャイ「コスモポリタンの眼」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

誰もやらない領域を根気強く続けられるかが成功の秘訣。

田坂 正樹 ピーバンドットコム社長