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覇権を巡る愚かな議論

デカップリングとGM・トヨタの世界一争いに思うこと

  • J・W・チャイ

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2008年1月31日(木)

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 1月中旬、2つの出来事が新聞紙上を賑わした。米国経済のリセッション入り懸念を材料とした世界同時株安と、米ゼネラル・モーターズ(GM)・トヨタ自動車(7203)の販売台数世界一争いだ。

 この2つのテーマは一見、何の関係もないように見えるが、私は1つの共通項を感じた。覇権を巡る議論の愚かさだ。

世界経済は一蓮托生

 まず世界同時株安。一連の金融不安では、世界経済の米国からの切り離し(デカップリング)が議論されている。米国経済が失速しても、新興国や欧州が引っ張り、世界経済の成長が続くという説だ。この議論には、米国の一国支配が終わりを迎えたという考え方が底流にある。

 だが、今回の世界同時株安で、そのようなデカップリング論議があまり意味を持たないことが明らかになったのではないだろうか。この説に従うとすると、米国経済が悪化しても日本経済は悪化しないので、日本の株価は下落しないということになる。

 現実には、米国株に連動して日本株も失速した。その後、米政府が減税を中心とする緊急経済対策の概要を発表すると、日本株は急回復した。これは日本に限った話ではなく、世界中でおおむね同じようなことが起きた。結局、景気も株価も米国の影響を抜きには語れないのだ。

 そもそもグローバル化とデカップリングは矛盾した概念である。これだけ、人、モノ、カネ、技術の移動が活発化し、世界における経済的な結びつきが深まれば、切り離しの議論は意味が無い。これは米国の一国支配が続くかどうかといった覇権を巡る争いとは、別次元の問題だ。

 昔はよく米国がくしゃみをすれば、残りの世界は風邪を引くと言った。そこまで米国の影響力が大きいかどうかはともかく、もはや経済に関しては、世界は一蓮托生なのである。

 住宅ブームにしたって、米国が失速したことで、英国やスペインなど、欧州諸国のブームもはげ落ちてきた。日本も怪しくなってきた。

 中国がいくら内需を拡大させているといっても、やはり米国に対する貿易黒字で儲けているのは疑いようがない。米国経済がおかしくなっても、中国経済が平気でいられるというのは無理な話。やはり米国経済の行方が、世界経済の行方を左右するのだ。

たった3000台の差に意味はない

 一方のGMとトヨタの販売台数世界一争い。こちらは、わずか3000台の差でGMが首位を死守した。既に年末に数字を発表していたトヨタに対し、“後出し”のGMが3000台余り上回った。

 しかし、この数字にどれほどの意味があるだろうか。両社とも936万台を販売するうちの、たった3000台である。

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