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白黒テレビなんて見たことがない20代、分かり合うカギはどこに

2008年2月8日(金)

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 白黒テレビがカラーテレビになり、リモコンが付き、そしてお茶の間だけのものだったテレビは家族個々の居室のものになった。唐突だが、私にとってはこのテレビの進化が、20代前半の人たちをもっと理解し、もっと活躍してもらうために必要な「会話のツボ」になってきている。

 昨年、立て続けに複数の方から、ここ数年の新入社員、すなわち20代前半の人たちについて同じようなことを聞かされた。

 いわく、「必死になって働き、会社を成長させることこそが、結果的に自分と家族の幸せにつながる。あるいは、日本の社会をより良くしていく、ということにもつながっていく。こういう当たり前のことが、全く通じない」「そもそも、何かに燃えるということがない。一体、どう動機づければ頑張ってくれるのか、途方に暮れている」などなど。

 正直なところ、私自身も最初は「なんとなくそうかもしれないな」という気がしていたが、就職活動中の学生諸氏と話したり、この世代の若手とじっくり飲んだりする機会を経て、「どうやら、これはこちらが分かっていないだけかもしれない」と思うようになってきた。

ものごころついた時には家に複数台のテレビが

 まずは、そもそも、こちら側と社会認識に大きな差がある。

 映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズのせいもあってか、最近、よく同世代や先輩の方々と子供の頃のテレビの話で盛り上がる。
 「テレビが来た当初は、近所の人たちが相撲、野球、プロレスの中継を見にやって来た」
 「記憶にある最初の頃のテレビには、小さな画面を拡大するためのプラスチック製のレンズのようなものが付いていた」
 「テレビには、必ずきれいな布をかけていたし、観音開きのもあった。いわば大事な家具という位置づけだったのだろう」といった具合だ。
 そして、必ずリモコンが付くようになった時の驚き、カラーテレビを初めて見た時の感動、といった話に続いていく。

 NHKがテレビの本放送を始めたのが1953年だ。東京タワーが完成し、NHKの受信契約数が100万件を超えたのが58年。これが62年には1000万件を超え、白黒テレビの普及率がほぼ50%に達している。69年には95%の世帯がテレビを所有しているので、53年以降、16年の間に日本中にテレビが行き渡ったことになる。1947~49年生まれを中心とする団塊の世代の方々は、幼少期から成人に至る期間、この大きな変化を同時代のこととして生きてこられた。

 カラーテレビの本格放送開始は60年。私は57年生まれなので、3歳の時にカラー放送が始まったことになるが、カラーテレビの普及自体は、中学校に入学した69年の段階でもまだ20%前後に過ぎなかったらしい。(電気)洗濯機も(電気)冷蔵庫も、私がものごころついた段階では、まだまだ普及の途上だった。中学生時代にようやく9割方の家庭に入っている。

 私より上の世代は、こういったテレビをはじめとする家電製品の普及、進化を小さい時から実感してきており、「昨日より、今日。今日より、明日の方が、暮らしは良くなっていく」という感覚が自然に身についているように思える。

 もちろん、家電の普及・進化だけではない。日本の経済自体も、この間大きく成長し、国民はどんどん豊かになってきた。我々の世代は、経済についても、人生の大部分を「昨日より、今日。今日より、明日が良い」という時期を生きてきており、それが基本的な認識として、刷り込まれている。

 一方、現在25歳の人が生まれたのは、82~83年。洗濯機、冷蔵庫はもちろん、カラーテレビも既に世帯普及率が100%近くに達しており、彼ら、彼女らがものごころついた頃には、一家に複数台テレビがあることが、ごく普通になっていた。近所の人がテレビを見に来るだの、うやうやしく布をかぶせられたテレビなどというのは、全く想像もつかない世代だ。

 「家電製品が家に来るという喜び」の程度は、現在の50代以上と比べて、相当小さなものだったろう。彼らが、50代以上のテレビに対する思いを理解し難いのと同様、彼らにとっての「家電の進化感覚」を、こちらが理解するのも簡単ではない。

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「白黒テレビなんて見たことがない20代、分かり合うカギはどこに」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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