• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

橘・フクシマ・咲江氏に聞く

デキる管理職は空気が読める

2008年2月13日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「日本にはグローバルに通用する人材が不足している」――。1999年当時エグゼクティブ・リクルーティング会社、コーン・フェリー・インターナショナルでマネージングディレクターを務めていた橘・フクシマ・咲江氏は、こう警鐘を鳴らした。

 あれから約10年。中国、インドなどを中心に、世界規模の人材争奪戦が始まっている。若者をはじめとした人的資源の確保に欧米は血道を上げ、日本は後れを取っている(日経ビジネス2008年1月21日号)。

 日本の経営者や管理職には、競争力はあるのか。日本で人材の有効活用をするために、管理職たちがなすべきことは何か。現在はコーン・フェリー・インターナショナルの日本担当代表取締役社長となったフクシマ氏に話を聞いた。

 インタビューの様子を動画でもご覧いただけます。こちらからどうぞ。

橘・フクシマ・咲江氏

橘・フクシマ・咲江氏(山田 愼二、以下同)

 1990年以降、世界の人材市場は急激に変化してきました。いわゆる「ドットコムバブル」までは急激に成長し、「人材争奪戦」「人材獲得戦争」という言葉も出てきています。その後ドットコムバブルが崩壊し、人材市場は半分になりましたが、2000年後半に入って復活しています。この間、日本の人材市場も大きく変わりました。日本の人材の流動性は、そのスピードはほかの市場に比べてゆっくりではありますが、劇的に高まったと思います。特に中間管理職の人々のマインドセットが、かなり変わってきています。

 これには理由があります。現在40代の中間管理職の人たちは、1990年当時新入社員で、前述のような人材市場の劇的変化を目撃してきています。例えば1997年の山一證券の倒産で、「大企業での終身雇用」という神話が崩れ始めたのも経験しています。彼らは、自分の上司たちが人材獲得戦争に巻き込まれ、その後市場縮小とともにリストラに遭い、辛い思いをしたのを目の当たりにしています。ですから仕事や職業に対して「もう会社には頼れない。自分で何とかしなくては」という自覚を持つようになったのです。

 今の管理職たちのマインドセットの変化を感じたのは、1990年代にはヘッドハンティングしたい候補者に連絡をしても、ほとんどの人が関心を持たなかったのに、最近では「ともかく、会って話を聞いてみよう」という人が増えているからです。転職の意識も、以前より前向きになっています。自分の市場価値を意識し、「外」を見ながら自分のキャリアを考えるようになってきたのでしょう。

 就労者個人の意識だけでなく、クライアントである企業側の意識にも変化が出てきています。以前は、ヘッドハンティングというと外資系企業がほとんどでしたが、最近は日本企業も外からエグゼクティブを採用するようになりました。その意味でも、人材市場の流動性はかなり進んでいます。

 しかしこうした中で、グローバルな視点から日本の管理職に競争力があるかと問われると、残念ながら「今時点ではあまりない」と言わざるを得ません。このところ世界でのランキングを見ても、日本のホワイトカラーの生産性はあまり高くありません。

 これには様々な要因がありますが、一つには日本企業の強みが「協調性を重んじ、チームで仕事をする」という形が中心であったことも少なからず影響を与えていると思います。1人でプロジェクトを最初から最後までやり遂げるという働き方が少なかったため、個人の生産性にあまり注意を払ってこなかったといえるでしょう。また一社だけでキャリアを築いているため、「今の会社ではうまく仕事をこなせるが、ほかの会社に移ったらうまくいかない」というように、組織を超えても通用する汎用性のあるスキルが育ってきませんでした。これが、日本の人材が海外などに比べて弱い点です。

 しかし、日本企業には強みもあります。例えば中国やインドでの就業経験があり、非常にアグレッシブで自己主張が強い人もいますが、仕事上こうした働き方がどこでも有効とは限りません。日本のような謙虚さや「チームでものすごい力を出す」といったやり方を、新しいモデルとして、もっと外に対して発信してもいいと思います。

 また卑近な例で恐縮ですが、弊社の東京オフィスでは、全員のスケジュールを壁に張って公開しています。普通これらはパソコンのグループウエアで管理するので、非常にアナログなのですが、全員の予定が一目で分かり、便利です。これを海外のオフィスのスタッフが見て、「面白いノウハウなので、うちでも使いたい」と言う。ネットやパソコンに頼らないアナログなやり方が、かえって目新しかったのだと思います。

 このほかに日本の文化や社会的習慣など、例えばサービスのきめ細やかさや時刻表通りに来る電車など、日本からグローバルに発信できるものはたくさんあるはずです。

 橘・フクシマ・咲江氏は、日経ビジネス オンライン、日経ビジネス、テレビ東京の3媒体共同企画「人材奔流」でテレビ東京系列、BS JAPANで3月1日(土)午後4時から放映する番組にコメンテーターとして出演されます。

コメント4件コメント/レビュー

ひところ気配りのススメが持て囃されたが、気づいてみれば、周りに無関心な「自分に関係ナイ」が大増殖。ここで言われている日本的美風など、そんなの関係ない。(2008/02/14)

「眠れる人材を掘り起こせ」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ひところ気配りのススメが持て囃されたが、気づいてみれば、周りに無関心な「自分に関係ナイ」が大増殖。ここで言われている日本的美風など、そんなの関係ない。(2008/02/14)

正に御指摘の通り。仕事が好きな人が怠け者を養っている実態がある。価値観の多様化、業種間格差の拡大。それは容認されても良い。そうは言いながら不公平なシステムを運のみで片付けられない。人生色々と言われても、本人とっては1回の人生である。やり直しはできない。経済発展を支える人口拡大や地球温暖化が破綻するのは明らかである。地球規模の繁栄、人類の幸せを考えるなら経済中心の考え方から抜け出さなければならない。人口の抑制は必用である。もっと大局的な見方が必用であろう。(2008/02/13)

グローバルに活躍できる人材として、「戦略性」「決断力」「危機管理能力」「自己責任」「ダイナミックで前向きな精神」「現場感」とあります。響きはカッコよくて、よし、これらを手に入れようと思う人は多くいると思うのですが、さて、それをexecuteする段になると、どうやって取り掛かるか分からない。ビジネス系の本にはこういったかっこいい単語が沢山並んでいますが、それより先にある、さてどう実行するかということを書いている本、記事、発言って見当たりませんよね。ありきたりの「カッコイイ単語が並んでいる」記事ではなく、より一歩先に進んだ情報を、今後の記事で拝見できることを心より楽しみにしています。(2008/02/13)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

変化を受け入れやすい組織体質があればビジネス上の“地殻変動”が起きた際にも、他社に半歩先んじられる。

井上 礼之 ダイキン工業会長