「眠れる人材を掘り起こせ」

「ダメ部下」活用は上司の気配りしだい

管理職は「人材ポートフォリオの達人」を目指せ

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2008年2月25日(月)

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 いい仕事をして会社の利益に貢献してくれる人材、いわゆる「使える人材」がいる一方で、「眠れる人材」も社内に数多く存在している。彼らが埋もれているように見えるのは「うまくペイできていない」ため。彼らをうまく活用し、ペイできる立場に動かすには、どうしたらいいのだろうか。それには、「人材ポートフォリオの達人」を目指すことだ。

 組織論でよく語られる「2・6・2の法則」によると、社内には、何も言わなくても積極的に動き、会社に貢献して利益を生み出す上位層のメンバーが2割。足を引っ張る下位層のメンバーが2割。並みの働きをするメンバーが6割いることになる。

 利益を上げるには、2割の下位層が出す赤字を極力減らし、6割の中間層からは赤字を出さないことが絶対課題になる。

 そこで、まず意識的に働きかけたいターゲットは、6割の中間層に含まれる人材だ。この層の部下に対して上手なマネジメントをし、やる気を起こさせることが、結果的に企業の活性化につながる。

 人材活用における成功の方程式は「スキル×適性×モチベーション」。適性に合った職場で、スキルを伸ばせる仕事を与え、モチベーションを上げる。これらの相乗効果で、人は実績を上げ、大きく成長するだろう。

 ただし、すべてが理想通りとはいかないのが現実だ。人事のバランスなどにより、すぐには適した職場に異動させることが難しい場合もある。スキルを習得するには、時間がかかる。

 そこで、即効性のある対応策が「モチベーションを上げる」ことだ。

 社内でくすぶっている人材の多くは「ふてくされて元気がない状態」だ。あまり目立った実績も上げられていない、上司は自分をどのように評価しているのだろうか、出世できるのか、と不安でいっぱいになっている。その不安を取り除いてやれば、部下のモチベーションは上がる。

 まず、部下の様子をよく観察する。元気があって、生き生きと仕事をしているようなら、何もしなくてもいいだろう。元気がないように見えたなら、「近頃、調子はどう?」「この間の件は、今どうなっている?」と、意識的にひと言余分に声をかけてみる。こうした声がけを心がけるだけでも、部下は「上司は自分を見てくれている」と少し安心感を持つようになる。

 また、根が深いようなら、部下とひざを突き合わせて、1対1でじっくりと対話する機会を設けることも重要だ。

 自分の評価、上司の気持ちなどが見えないままでは不安になり、やる気も出ない。そんな様子が見て取れたなら、部下の置かれている状況、今の仕事の意味や価値を説明し、足りない個所を指摘し、社内評価が上がるためのポイントを指南する。いわば、部下が見えずにいたものを「見える化」してやるのだ。

 人は、自分に光が当たっている時こそ、頑張ろうという気になる。光を感じないと、スポットライトの届かない暗い舞台の上に取り残されたように感じ、モチベーションが下がってしまう。そこで、「キミには、光が当たっている」と感じさせることが重要だ。

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著者プロフィール

西山 昭彦(にしやま・あきひこ)

西山 昭彦

一橋大学社会学部卒。東京ガス入社後、ロンドン大学大学院政治経済学科およびハーバード大学政治学大学院に留学。社内ベンチャーで新会社を設立後、法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程を修了し、経営学博士に。2004年から東京女学館大学教授、東京ガス西山経営研究所長に就任。人材開発、勉強法、キャリアデザインなどをテーマに、執筆や講演を行う。趣味は海外旅行、グルメ。著書に『企業内プロフェッショナルの時代』(プレジデント社)、『こま切れ時間活用術』(日本実業出版)、『女たちは管理職をめざす』(中経出版)、『40代で始める「最終戦略」ノート』(こう書房)など。(写真:いずもと けい)



このコラムについて

眠れる人材を掘り起こせ

国際的な人材争奪戦が始まっている。海外の優秀な人材の確保も大切だが、これからは日本人社員の能力向上や有効活用にも目を向けるべきではないか。このコラムでは、経営者や管理職が「眠れる人材」をどのように活用していくべきか、また自身のスキルアップをどのようにはかるべきかについて見ていく。

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