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酒が生み、たばこが育てたNASCAR(上)

スポンサーを魅了する平均10万人以上の観客

2008年3月6日(木)

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NASCAR・スプリントカップ・シリーズ(2008 NASCAR Sprint Cup Series)開幕戦・デイトナ500(Daytona 500)、決勝 NASCAR・スプリントカップ・シリーズ(2008 NASCAR Sprint Cup Series)開幕戦・デイトナ500(Daytona 500)、決勝

NASCAR・スプリントカップ・シリーズ(2008 NASCAR Sprint Cup Series)開幕戦・デイトナ500(Daytona 500)、決勝
写真上:(c)AFP/Getty Images/Jamie Squire
写真下:(c)AFP/Getty Images/John Harrelson

 その数、何と25万人。先月半ば米フロリダ州デイトナビーチに全米中のモータースポーツファンが集結しました。そのお目当てはNASCAR(「ナスカー」と読む。全米ストックカー協会の略称)の開幕戦「デイトナ500」です。「デイトナ500」は今年で50周年を迎え、ファンは記念すべきメモリアルレースをその目に焼き付けるためにNASCARの“聖地”に足を運びました。

 NASCARで使用されるストックカーとは、いわば「改造車」のこと。市販車を極限まで改造して、楕円形のサーキットをひたすら周回しながらスピードを競い合います。こう言うと、とても単純なレースだと思われるかもしれません。しかし、30台の改造車が横3列縦10台の車列となって時速250キロ以上、車間距離10インチ(約25センチ)で爆音とともに3時間半も走り続ける光景は圧巻です。

 NASCARには、自動車技術の粋を集めたF1レースのような洗練されたイメージはありません。でも、米国では、日本で馴染みのあるF1やWRCラリーなどの他のモータースポーツが足元にも及ばない程の絶大な人気を誇っています。

知られざるNASCARの人気

米国4大プロスポーツとの平均観客動員数(2006年)

 日本ではほとんど知られていませんが、1レースに平均10万人以上の観客を集めるNASCARは、米国で最も多くの観客を動員するスポーツです。米国スポーツ史上、最も観客動員数が多かったイベント上位20のうち17を占めています(NASCAR公式HPより)。

 また、テレビ視聴率ではメジャーリーグ(MLB)や全米バスケットボール協会(NBA)を大きく上回っており、全米フットボールリーグ(NFL)に次ぐ“第2の人気プロスポーツ”としての地位を手にしています。

米国4大プロスポーツとの視聴率比較

 このように、今や全米で押しも押されぬ人気スポーツに成長したNASCARですが、もともとは「南部の白人が愛する野蛮な娯楽」と揶揄されたローカルのマイナースポーツに過ぎませんでした。実は、NASCARが前回紹介したNFLに次ぐ第2の人気スポーツにまで成長した裏には、驚愕のマーケティング革命があったのです。今では、そのマーケティングモデルはNFLなどの他のスポーツがこぞって真似をしようとしているほどです。その核心に触れる前に、まずはNASCARの歴史とルーツをひもといてみましょう。

起源は禁酒法、発展のきっかけは公衆健康喫煙法

 NASCARの起源は、南部の密造酒製造業者が、配送車を改造して取り締まりを逃れた20世紀初頭の禁酒法時代だと言われています。その後アマチュアレーサーによる腕試しのレースが広大な平地を有する米国南部各地で開催されるようになりました。NASCAR発祥の直接的なきっかけとなったのが、フロリダ州のデイトナビーチの砂浜で開催された改造車レースでした。競技ルール統一の必要性からNASCARが法人化されたのは、1948年のことです。

 しかし、設立当初のNASCARは恒常的な資金難に直面していました。1950年代、60年代は、ドライバーがレース前に自宅を抵当に入れて資金を調達し、そのカネでタイヤや部品を購入してレースカーをチューンアップし、レースに勝てればその賞金で自宅を取り戻し、負ければすべてを失うといった“冬の時代”でした。レースはギャンブルそのものだったのです。

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「酒が生み、たばこが育てたNASCAR(上)」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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