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GDPが大きければ、経済は一流なのか

  • 神谷 秀樹

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2008年4月7日(月)

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 「もはや戦後ではない」と一流国の仲間入りを宣言した日本も、今や「もはや経済一流国ではない」と経済閣僚が公言する始末だ。

 ここで考えるべきは、「何をもって一流と評価するのか」ということだ。この問題を考えるうえで、米国を例にしてみたい。世界最大のGDP(国内総生産)を誇るこの国の経済は一流なのだろうか? 

 私にはとてもそうは思えない。政府は貿易赤字と財政赤字を垂れ流し続け、消費者も貯蓄率ゼロで借金しては浪費を続けてきた。いよいよその借金依存浪費経済も終焉を迎えている。酷評かもしれないが、米国経済の私の評価は「三流」である。一方、新技術の開発、民主主義の強さなどにおいては、米国はいまだ一流だと評価する。

 また国の発展段階によって物差しは変わってくる。戦後焼け野原から復興する時、GDPを伸ばすことは国の目標であり、国民の願いであった。その時に所得倍増計画を掲げ、実際にそれを実現した国政の運営は「経済一流」と評価されてよいものである。

GDPでは計れない

 しかし、その当時の日本と、現在の毎年0.6%人口が減少してゆき、かつ物が豊富に溢れている日本とでは、国民が求めるもの自体が異なる。

 現在の日本は、GDPの絶対額や1人当たり国民所得の急成長を目指すべきであろうか。国民がそんなものを求めてがむしゃらに働き、海外ではエコノミックアニマルと呼ばれるような状況に戻るということは現実的だろうか。総理大臣は“トランジスターのセールスマン”となってサミットに臨むのだろうか。とてもそうは思えない。

 今の日本は、一流とするものの物差しを見失っている。本来なら政治が、自分たちの新しい物差しを示していくべきなのだろうが、示さない。そのことの方が問題の根源なのではないだろうか。

外需で成長も、過剰な期待は禁物

 人口が減ってゆく社会で、例えば日本の内需だけを当てにした小売業者が、右肩上がりの成長路線を取るとしたら、それは多くの場合破綻に向かう。市場規模が成長しないのに、過剰投資をすれば自殺行為となるからだ。

 外需に頼った企業も、警鐘を鳴らすべきだ。米国の消費者が、借金を重ね贅沢な暮らしを続けることはもはや望めない。同様の消費に頼って所得を上げてきた中国人やインド人も、その所得の伸びは縮小しよう。中国やインドの安い工賃に引かれて進出し、対米輸出、対日輸出で稼いできた企業はこれから過剰設備投資に足をすくわれるかもしれない。

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