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JPモルガンがベア・スターンズ買収の次は?

“サブプライム基金”構想の破綻と米国株主総会シーズン

  • 酒井 耕一

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2008年3月26日(水)

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 米金融界の代表者が誰か、改めて感じさせる買収劇だった。

 3月16日、米JPモルガン・チェースが、サブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題で経営が悪化した米証券会社のベア・スターンズを買収した。まさに救済劇と言える。買収を決めたのは、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)。日本でそう知名度が高いわけではないが、米金融界では名の知れたリーダーだ。

 もともとはシティバンクで腕を振るい、その後、バンクワンへ転出。バンクワンはJPモルガンに買収されたが、買収された側のダイモン氏が、なんとその新会社のCEOについた。あまり考えられない例だが、ダイモン氏はもともと「シティのCEOになる」と見られていた人物。シティを去った時には大きな話題となった。その背景には、創業者のサンディ・ワイル氏との確執も噂されたが、未練なく去り、もう1つの巨大機関のトップになった。

 ダイモンCEOへの注目が再び高まったのは、昨年からのサブプライム問題がきっかけだ。多くの米金融機関が損失を背負って、株式・金融不安が高まるのを防ぐために、ダイモンCEOらは他の大手と協力して、「共同基金構想」をぶち上げた。

 昨年秋に来日して、日経ビジネスのインタビューに応じたダイモンCEOは、その内容を語っていた。いわく「参加は20行になり、基金は最大1000億ドル規模になる。もう事務局を作る準備をしている」など前向きな発言が目立った。

 だが、日本の金融機関が基金への参加を見送るなどプランはうまく行かず、基金は結局、挫折してしまう。

 その後、いよいよベア・スターンズが資金繰りに行き詰まり、ダイモンCEOは自ら救済に乗り出した。

 買収前の3月上旬には、株式市場の動揺を抑えようと、FRB(連邦準備理事会)が利下げをした。それをブッシュ大統領やヘンリー・ポールソン財務長官が支持するメッセージを発したが、動揺は収まらない。結局は金融業界の大物が買収に動くしか、安心材料はなかった。

 問題は、今後、ダイモンCEOが2社の経営シナジーをうまく出せるか。

 ベア・スターンズの破綻を、「破綻した山一證券と同じ規模」と報じたメディアもあるが、ベアの総資産(970億ドル)で山一(3兆円)を大きく上回る。売買手数料で稼いでいた山一に対して、ベアは債券売買や資産運用、投資銀行部門が中心で、サブプライムローンに絡んだヘッジファンド取引で巨額損失を出すまでは堅実なイメージが強かった。

 ダイモンCEOは「無駄遣いはしない」と自ら語るように徹底した管理で知られる。ベアの社員にボーナスを出して、JPモルガンに円滑に移籍するように促しているとされるが、新しいビジネスモデルが作れるか。そこが見えない限り、不安はなくならないだろう。実際、3月24日には1株2ドルとしていた当初の買収価格を、ベアの株主に配慮して10ドルに引き上げた。このように予想外のことがすでに起こっている。
 もちろん、JPモルガンとベア以外にも金融不安の材料はある。

 3月には米大手ファンドのカーライル・グループが運営する「カーライル・キャピタル」も行き詰まった。証券会社だけではなく、大型買収で産業界の話題をさらってきた大手ファンドまでも苦しい状況にあることを印象付けた。

 ファンド業界で言えば、サーベラス・キャピタル・マネジメントの動向も見逃せない。

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