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文も理も含むのが「サイエンス」

「壁」の破壊が日本型イノベーションを生む

  • 常盤 文克

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2008年3月31日(月)

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 養老孟司さんの『バカの壁』がベストセラーになったのを覚えているでしょうか。この本は2003年に出版され、「バカの壁」という言葉は流行語大賞にランクインするほど話題になりました。その人気ぶりは、あちこちで「壁」という言葉を題した書籍や雑誌が見られたほどです。

 残念なことに、今では「壁」という言葉が出てくる場面がほとんどなくなってしまいました。同じことが、2005年に出版された藤原正彦さんの『国家の品格』にも言えます。

 言葉には流行り廃りがありますが、私はこの「壁」とか「品格」という言葉を単なる流行に終わらせず、日本人が大切にすべき言葉だと思います。そこでこのコラムで2回に分けて、「壁」と「品格」についてお話したいと思います。

 よく言われる心理的な「壁」。この壁は、誰もが無意識のうちに自分(たち)の周囲に築いてしまったり、いつのまにか自分(たち)の周りに出来ていたりするものです。なぜ壁を作ったり、壁が出来たりするのでしょうか。それは、境界線を引いて物事を枠の内側に収めることで、物事を考えやすく、取り組みやすくするため、また時には枠の外側へ出して、排除するためではないでしょうか。

 しかし、そのように枠の中でいくらやっていても、外の世界に発想を飛躍させることはできません。「イノベーション」とよく叫ばれますが、これを起こすには壁を壊していく必要があります。実はイノベーションの種は、物事の境界領域、すなわち壁のところに潜んでいるのではないか、と私は考えています。壁を取り払うと、きっと新しい世界が見えてきます。

文も理も「サイエンス」という意味では同じ

 典型的なのが、文系と理系の壁です。よく会社の中で交わされる会話ですが、「私は文系だから」「事務屋だから」と言って研究や技術開発に苦手意識を持ったり、逆に「理系だから」「技術屋だから」と言って販売やマーケティングなどを避けたりすることがあります。これらの言葉遣いは単に苦手意識を示すだけではなく、自分の存在や立ち位置を強調するために、あえて自ら壁を作る意味合いもあるようです。

 ところが、文系も理系も「サイエンス」という切り口で考えると、実は共通項が見えてきます。ここで言うサイエンスとは自然現象に限らず、社会現象も含めて物事をよく観察して、その背後にあるものを理解し、問題解決への道筋を見つけ出す力です。サイエンス(=科学)は自然科学だけでなく、社会科学、人文科学などというように、文系でも科学という言葉が使われています。文系も理系も同じサイエンスであると考えれば、仕事の幅や活躍の場が一気に広がります。

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