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市場の流動性低下という事態では
時価会計の原則を見直すべきか

2008年4月18日(金)

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 サブプライムローン(米国の信用度の低い個人向け住宅融資)問題に関連して、時価会計についての議論が再燃している。

 バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長が「金融商品の時価評価が不安定要因として働いた」と発言したこと、あるいはIMF(国際通貨基金)が今月発表した国際金融安定性報告書(The Global Financial Stability Report)の中で、時価会計制度の見直しについて述べているといったことから、同制度への懸念が浮上しているように見受けられる。

 ただし今出てきている議論は、時価会計制度全体への批判ではない。

異常事態では、原則を一律適用すべきでない

 ロイターによれば、バーナンキ議長の発言は「流動性が非常に低い市場で資産を売却する動きが、評価損の計上、投げ売りといった事態につながったという意味では、時価評価が時に不安定要因として働いたと言える」というものだということで、「流動性が低い」すなわち「売買が成立し難い」状況下に限定した問題提起と取るのが、正しいのだろう。

 また、IMFの報告書(要約版)は「(短期的な公的部門による対策として)市場混乱期に時価会計の厳格な適用を猶予することも、公式に認知する必要があるかもしれない」「(中期的な公的部門の検討課題として)公正価値が一定以下になることが引き金となって資産の強制的な売却が進んでしまう現象について、詳しく検討する必要がある。…会計基準の策定者は、会計の慣行と指導において金融安定性への影響を考慮することがますます必要になるだろう」と述べている。

 どちらも、「異常事態・危機対応」「流動性の急激な低下の防止」といった観点から、原則を一律に適用すべきでない場合があるという考え方であり、これまた時価会計全体ではなく、その一部に修正の余地があるということだと思われる。

 こういった議論を聞くと、どうしても日本のバブル後の不良債権処理を思い出してしまう。

 当時、銀行が担保としていた不動産に買い手がつかない状況(=流動性が極めて低い状況)が頻発していた。当初は、下がり続ける不動産価格にある程度連動して不良資産の価値査定が行われていたものが、その時点で買い手がつかない物件は「価値がゼロ」と扱われるような例が数多く発生した。

 こうなると「今は売れなくとも、数年待てば少なくとも何億かでは売れるだろう」と思われる不動産(並びにそれに対する貸付金の債権)でも、どんどん投げ売りされるようになる。

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「市場の流動性低下という事態では
時価会計の原則を見直すべきか」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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