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人員を約半分にしてもサービスの質は上げる

多能工化が従業員のやる気を引き出し生産性が大幅向上

  • 飯村 かおり

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2008年4月21日(月)

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 「ザ・ターニングポイント~イノベーションの軌跡」は、テキスト記事と動画番組の組み合わせで多角的にお届けします。今回のテキスト記事では、星野リゾートが取り組む、従業員の生産性向上の取り組みと、旅館再生に情熱を燃やす若き総支配人を紹介します。
 また動画番組では、星野佳路社長へのインタビューの様子をお送りします。日本の観光の変革に挑む思いを、星野社長が自らの言葉で語ります。ぜひご覧ください。

動画再生

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(システム条件がWindows XP Service Pack 2 or Vista以降で、Quicktime7.2が必要です。MACの方は、Mac OS X v10.3.9とv10.4.9以降。必要に応じてインストールをお願いします。
Quicktime:windowsMac)
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また、Windows VistaのInternet Explorer7でご覧になれない方は「スタート」⇒「コントロールパネル」⇒「プログラム」⇒「規定のプログラム」⇒「プログラムのアクセスとコンピュータの規定の設定」⇒「カスタム」⇒「規定のメディアプレイヤーを選択してください」で「Windows Media Player」を設定してください。

 100年以上の伝統を誇る老舗旅館ですら、いとも簡単に経営難に陥ってしまう――。その理由は、団体客が減ったことなど市場の変化ばかりが原因ではない。経営革新が全く行われてこなかったことが実は最大の問題だった。

 「日本の旅館やリゾートは、ゴールデンウィークといった繁忙期はどこも満室。一生懸命やっているところも、そうでないところもどこも満室です。すると、競争する意味がなくなる。かえって、いまひとつのサービスにしておいたほうが得をするという、観光業界の構造があった」と星野佳路社長は指摘する。

 繁忙期をターゲットにした経営に頼るとどういうことになるか。忙しい時に合わせて人手を集める。その結果、どんどん作業が細分化され、布団を上げ下げするだけの人、宴会でお酒のお燗をするだけの人、というように、1つの作業に専門の人を当てるようになる。

 作業の平準化と効率化が進んだ製造業に勤める人には理解できないかもしれないが、これが日本の温泉旅館の現実だった。20年、30年と同じ仕事だけをやるような業界には、旅館全体を見渡し、将来の経営を背負って立つような人材が育つ土壌はなかった。

 星野リゾートが旅館の再生事業でまず取り組んだのは、この点だった。単能工から多能工へ――。自動車産業はじめ、製造業界では生産性向上のために当たり前のように取り入れられてきた方法を旅館に取り入れた。

従業員をチーム化して生産性アップ

 星野リゾートでは、まず、サービスに関わる従業員全員を「サービスチーム」と名づけて、一人ひとりをチームのメンバーとして捉えた。従業員の間にあった仕事の境界線をなくし、フロント、清掃、レストランなど食事処のサービス、調理といった各業務すべてを全員がローテーションで体験。各自、複数の仕事を覚えていく。

 新しいスタッフにとっては自然なことかもしれないが、長年の慣習に従って旅館で働いてきた人の中には、サービスチームの働き方に抵抗を覚える人もいる。このため、星野リゾートでは新たにサービスチームを導入する旅館には、すでに経験を積んだスタッフを派遣。初めての働き方に慣れない従業員を指導する。

 温泉再生プロジェクトの神宮幸穂サービスチームリーダーがその一人だ。島根県、玉造温泉の老舗旅館「有楽」の再生を手がけた後、2008年3月にリニューアルオープンした伊東温泉「アンジン」に異動。サービスチームの仕組みを立ち上げるのが目的だ。

 「止まって何もしない状態が生産的でないと捉えている。黙って何もしないよりは何かをする、何かをするなら、できるだけ生産性を上げるようにしています。1日の中での忙しい時と忙しくない時の差が必ずありますが、それをできるだけ中和し、全体の業務をならすようにします」(神宮サービスチームリーダー)

 伊東温泉の「湯の宿 いづみ荘」も、星野リゾートが再生する前は人件費が経営を圧迫していた旅館だ。

 「(再生前は)従業員の数が最高で70人いた」(田中直人総支配人)

 いづみ荘では、従業員をサービスチーム化することで、70人の従業員を40人ほどにまで減らした。これだけの数を減らすと、利用客へのサービスの質が低下するのではないかという懸念もある。しかし、いづみ荘では人数を減らしたことによる効果の方が表れている。

 「情報共有のスピードが全然違う。イレギュラーな改革やお客様からいただいたクレームに対しての対応は、ある程度人数が絞られることによって、みなで考えたり、フットワークを軽く、スピーディーに動いたりできるようになった」(田中総支配人)

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