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米国での訴訟に連戦連勝、自前主義で知財管理力を得たニデック

世界1位の製品をいくつも生み出す医療機器メーカーの強さ(下)

2008年5月1日(木)

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(前編「明確なビジョンで事業を集中させたニデック」から読む)

 米国市場は、眼科医療機器メーカーにとっては世界で最も大切とも言えるマーケット。そこで、ニデックは看板製品としたい「エキシマレーザー」で訴訟を起こされ、特許紛争に10年もの歳月を要することになる。

 視力回復や治療的角膜表層切除に使うレーザー手術装置「エキシマレーザー」の販売がスタートしたのは1993年で、一連の特許訴訟が始まったのは1994年2月。米ビシックス、さらに米サミットテクノロジーもニデックを提訴した。その内容は、ニデックのエキシマレーザー角膜屈折矯正手術装置「EC-5000」が、特許侵害をしているというものだった。

ニデック副社長、小澤素生氏

ニデック副社長、小澤素生氏

 「訴訟と聞き、最初はやはり驚きました。ただし、自分たちは間違ったことをしていないという自信がありました」と小澤素生副社長は振り返る。「米国のITC(国際貿易委員会)での手続きや特許訴訟を受けて立つと、弁護士費用などで60億円ものお金がかかるとも言われましたが(ちなみに、対する企業のビシックスはこの3倍もの費用を費やしている)、それでも間違っていないことを証明しなければならないので戦いました。私たちはその訴えを“言いがかり”のようなものと思っていましたから」。信念の国、日本の代表として、主張の国、米国の企業には負けないという気概もあった。

 マサチューセッツ連邦地裁でのエキシマレーザーEC-5000の特許訴訟では、2002年9月の陪審員評決で侵害とされたものの、評決無視の申し立てが裁判官により認められて逆転勝訴。控訴後の2004年3月の連邦巡回控訴裁判でも、「ニデックは特許を侵害していない」という地裁判決が支持され、ニデックは勝訴した。この決定は、EC-5000が競合他社の特許を侵害せず、独自で開発したという一貫したニデックの考えを再確認するものだった。

負けなしの11連勝

 この訴訟を含め、米国、英国、日本、カナダ、フランスでも特許係争裁判が行われた。結局、1994年から始まった一連の特許訴訟は一度も負けることなく11連勝で終了した。

 連戦連勝を果たして10年にわたる特許紛争を終えた小澤秀雄社長はこう振り返る。「我々は判決に非常に満足し、同時に感謝している。“ニデックのエキシマ関連技術が他社特許を侵害するものではない”という堅い信念が、判決によって実証された。今後は訴訟の心配をすることなく、より良い新製品を世に送り出すことに集中でき、眼科医療の発展に寄与できるものと考えている」。

 ただし、一連の裁判の影響もあった。米国市場にエキシマレーザーが普及していくスピードが鈍ってしまったのだ。「2004年にはエキシマレーザー角膜手術装置1000台出荷を達成したのですが、裁判がなければ、米国市場でもっと早いうちからエキシマレーザーの販売台数を伸ばすことができたでしょう。係争中は、負けたら使用中止になる恐れもあるのでお客さんはなかなか機械を買ってくれませんでした」(素生副社長)。

 ニデックにとってはこの時、米国市場ではビジネスの1つの道具として、訴訟という方法があることに気づかされた。「エキシマレーザーの米国市場への浸透を遅らせたという意味で、訴訟を起こした相手の会社は最低限の目的を達成できたのでしょう。裁判には勝ちましたが、ビジネスで私たちが勝ったかどうかは微妙ですね」。

 結果として、この長い特許紛争を経験したニデックは、知財強化に努めることになる。

「エキシマレーザーEC-5000」

「エキシマレーザーEC-5000」

現行の「エキシマレーザー」

現行の「エキシマレーザー」


訴訟トラブルを経て知財力を強化

 米国などの企業による訴訟に対応することで、ニデックはますます「新しいものを作る時は、必ず特許を出願する」ことを徹底するようになった。

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「米国での訴訟に連戦連勝、自前主義で知財管理力を得たニデック」の著者

大村 洋司

大村 洋司(おおむら・ようじ)

海外事業戦略室プロデューサー

1989年日経BP入社。95年「ナショナルジオグラフィック日本版」編集、2004年同誌副編集長。07年「日経ビジネスオンライン」副編集長。10年「日経ビジネスアソシエ」副編集長。12年1月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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