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青森県を売って売って売りまくる──。

トップセールスで地方再生目指す、三村申吾知事に聞く

2008年5月8日(木)

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 「人以外、何でも売って歩いている青森ですよ」。青森県の三村申吾知事は冗談めかしてこう語る。2003年6月の知事就任後、「総合販売戦略課」を設立。「攻めの農林水産業」をキャッチフレーズに、青森県産の農産物を国内外に売り込む。

 知事の笑顔とは裏腹に、青森県が置かれた現状は厳しい。基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字幅は縮小しているが、県の借金を表す県債残高は1兆2746億円(2007年9月末)と一般会計予算の1.8倍という水準にある。有効求人倍率も「0.47」(2007年)と全国最低レベル。使用済み核燃料の再処理工場という県特有の問題も抱えている。

 だが、「売って売って売りまくる」、そう明るく語る三村知事と青森県の取り組みは、苦境にあえぐ地方が進む1つの方向性を示している。2007年6月に再選を果たした三村知事。独得の調子で、これまでの取り組みや成果を語った。まずは、青森空港の活性化の話から──。

──利用者数の減少が続いた青森空港ですが、ここ数年は減少に歯止めがかかってきている。中でも、ソウル便では利用者数の増加が顕著です。国際便のてこ入れに、知事自らトップセールスを仕掛けたという話を聞きましたが、実際のところはどうなのでしょう。

三村 私が知事になった2003年頃、(韓国―青森空港間を運行している)大韓航空はもう青森空港便を止めようか、と。そこまで追い込まれていたんだよ。そこで三村は考えた。やはり営業が重要なんじゃないかとね。

韓国の旅行会社社員と酒を酌み交わし戦略練る

 もうね、5年前は国内線も国際線もいまいち元気がなくて。せっかくヨン様(ペ・ヨンジュン)が元気な時なのに「ソウル―青森」路線の元気がない。でね、韓国の観光公社や旅行会社があるでしょう。そういう会社に乗り込んで、青森県と戦略チームを作ったわけよ。それで、韓国の人たちと「爆弾兄弟」になった。分かるでしょ。「爆弾酒」を一緒に飲むから爆弾兄弟。

──どれだけ飲まれたんですか。

どこへでも自ら出向いて青森をセールスする、三村申吾知事
(写真:宮嶋康彦、以下すべて)

三村 飲んだ。いや、各社ごとに飲んだ。最初は思いっきり飲んだけど、段々減らしてもらった。あれはすごいね。5杯目ぐらいからもうダメだぁ。

 まあ、それはさておいて、どうやったら青森県を応援してもらえるかを含め、いろいろ議論しました。そしたら、韓国の観光公社の社長からこう言われた。「青森は良いコンテンツを持っているのに、お前らは何をしているんだ」と。

 確かに、青森県は温泉資源には事欠かない。酸ヶ湯や不老ふ死温泉などの面白い温泉だけじゃなく、八甲田や大鰐温泉郷などもある。スキー場やゴルフ場だってどこにでもある。実際に青森県に来てもらって、いろいろとアイデアをもらいました。

──具体的にどのようなアイデアだったのでしょう。

 例えば、「ツアーにトレッキングを入れよう」と言ってきた。日本人はあまりやらないけど、韓国の人って結構歩くんだよね。白神山地や八甲田山が青森県にはあるわけで。実際に、白神山地や八甲田山を旅行会社の人たちに見てもらった。今では立派なツアーになっています。

 まだあるよ。来年は太宰治の(生誕)100周年。太宰は青森県出身で、「津軽」なども書いた。庁舎から100メートルほど行けば、今でもお孫さんが住んでいますよ。でね、韓国の人は太宰のことをよく知っている。聞けば、日本文学科の中で必ず学ぶらしい。そういうことを教えてくださる。

──なるほど。

 これも「へぇー」って思ったんだけど、韓国の方が青森空港に降りた時、「空気が世界一おいしい」って言うんだよ。やっぱりブナだと思うんだけど、ブナの広葉樹林帯は空気が柔らかくて甘い。だから、ゴルフ場の空気だってものすごくおいしい。

 それに、韓国の人は生ものが好きでしょう。そう考えると、青森県は海岸線が750キロ。太平洋と日本海の海の幸がふんだんにある。いろいろな物を食べられるわけですよ。こういうコンテンツをホテルと組み合わせていく。

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「青森県を売って売って売りまくる──。」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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