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日本と中国の資源外交、“風林火山”

資源確保に奔走する胡錦涛国家主席と温家宝首相

  • 谷口 正次

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2008年5月13日(火)

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 “風林火山”といえば戦国武将の武田信玄の旗じるしであることはよく知られている。これは、中国古典の兵法書(春秋時代、紀元前480年頃)からとったものである。その「軍争編」の中の一節に、「疾(はや)きこと風の如く、徐(しずか)なること林の如く、侵略すること火の如く、動かざること山の如く」というくだりがある。ここから風林火山の4文字を抜き出したものだ。

 この風林火山になぞらえて、日本と中国の資源外交を比較してみるとその違いが説明しやすい。中国は風の如く疾く、火の如く侵略する。日本は林の如く徐で、山の如く動かない。日本の音なしの構えが兵法に基づくものならよいのだが・・・。

 中国は高度経済成長を続けるため、その膨大な資源需要を満たすことが、胡錦濤政権にとっての最重要課題の1つとして位置づけられている。そのため国家戦略として胡錦涛国家主席と温家宝首相が先頭に立って世界に向けて資源確保のための首脳外交を行っている。

 その資源囲い込みに狂奔しているありさまが、まさに“風の如く”そして“火の如く”というわけだ。

 特にアフリカにおける資源外交攻勢は、欧米系の資源メジャーたちをあわてさせ、アフリカは中国によって“強姦・掠奪”(raped and pillaged)されているとまで表現している。自分たちの庭先と思ってわがもの顔に振る舞ってきたアフリカ大陸に、札束を持って国家主席をはじめ首脳陣が乗り込んできては大盤振る舞いで資源を囲い込んでいく中国に対して、メジャーたちが反発と恐れと危機感を強めているのである。

 2007年1月末のこと、世界経済フォーラム(ダボス会議)に参加した資源メジャーの首脳たちが密かに会合を持ったのは、胡錦濤主席がアフリカ8カ国訪問に旅立つ数日前であった。議論の大半は中国問題であった。飢餓感を持った中国が資源豊富なアフリカ諸国へ外交的、経済的影響力を強化していった、そのあまりの速さについていけなかったことに対する危機感を共有した会議であった。

 6時間におよぶ会議の後、内容は「タイムズ」の記者を通じて公開された(Mining Journal Online)。中国の紐のつかない50億ドル規模の経済援助は、アフリカ各国の政府と指導者たちにしてみれば大変魅力的なアメであり、見返りに資源の探鉱・開発権益を与える。

 彼らは、「欧米の首脳が来ると、政治的なアジェンダを持ってきて、国連の改革と地域紛争のことしか言わない。しかし、中国は違う。それは経済だ。人権など政治的なことは一切言わずに援助をしてくれる」ということで歓迎しているのだ。

コメント19件コメント/レビュー

尊敬する吉田首相と南原繁東大総長と、外交政策でやりあった。政治家はアメリカ中心。学者は前面講和を主張。政治家は、学者を『曲学阿世』となじった。 政治家はどうしても、方向性を持った考え方になり、そのとき一番即効性の有る舵取りを考える。学者は全地球的観点から考える。両者が戦えば政治家が勝つだろう。しかし後世になって、ああしておけば、わが国はもっと良くなっていたのではなかろうか?と言うケースが多々有る。 対中国のやり方が、つい最近までODAで金を出し、我が国が出したお金で中国に経済力を付けさせた迄は良いが、アンバランスに成長をとげつつある中国国内は、シッチャカメッチャカに汚染された。その廃棄物が我が国に悪影響を与えている。自業自得なんて言っていられない。かっての我が国の失敗が何十倍にもなって跳ね返って来ている。自然を破壊しない緩やかな発展を中国に教えて上げられないのだろうか?(2008/05/13)

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尊敬する吉田首相と南原繁東大総長と、外交政策でやりあった。政治家はアメリカ中心。学者は前面講和を主張。政治家は、学者を『曲学阿世』となじった。 政治家はどうしても、方向性を持った考え方になり、そのとき一番即効性の有る舵取りを考える。学者は全地球的観点から考える。両者が戦えば政治家が勝つだろう。しかし後世になって、ああしておけば、わが国はもっと良くなっていたのではなかろうか?と言うケースが多々有る。 対中国のやり方が、つい最近までODAで金を出し、我が国が出したお金で中国に経済力を付けさせた迄は良いが、アンバランスに成長をとげつつある中国国内は、シッチャカメッチャカに汚染された。その廃棄物が我が国に悪影響を与えている。自業自得なんて言っていられない。かっての我が国の失敗が何十倍にもなって跳ね返って来ている。自然を破壊しない緩やかな発展を中国に教えて上げられないのだろうか?(2008/05/13)

日本が農業国に戻るとか言っても、隣の中国で汚染された大気で安全な食料など作れない時代になる。日本は農作物を建物の中で育てるようになるだろう。(工場のようと思われるが、人類が宇宙に進出したら食料はそのようなプラントでしか作れないし。)一方で省エネ・環境技術を売り物にして中国の環境汚染を止めるというのが日本の役割で、生きていく道の一つとなるだろう。その辺りも勘案したものづくり技術を大事にしなければ生きていくことも適わず、日本民族は環境汚染を逃れて世界に散り散りになるしかないかもしれない。(2008/05/13)

何故我が国の政治家は外交音痴か、国家戦略がお粗末か?それは、極論すると一重に我が国の国民の代表だからでししょう。自戒も込めて言うと、一般国民がどれだけ日本の政治を真剣に考えて選挙に行っているか。土建屋、利権政治という批判はあるが、ある意味政治に一番熱心に取組んでいるのが土建屋さん達で、自分達の生活がかかっている。他方、怒っている人達の多くは、日本の国家戦略、資源確保に取組む政治家をどこまで真剣に応援しているのか?投票率が50%を切る中で、残りの50%の人がそういう政治家を真剣に応援し続けることができるなら日本も政治一流になるでしょう。それが無理なら、やはり政治も今の三流のままでしょう。(2008/05/13)

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