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百花繚乱~中国の新建築

シリーズ中国【第3回】

  • 藤田 宏之

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2008年5月16日(金)

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 万里の長城や兵馬俑から紫禁城にいたるまで、中国には、かつて全土を支配した統一王朝がその最盛期に生み出した巨大建造物は少なくない。そうした歴史遺産を彷彿とさせるような建物が、現代の中国に続々と生まれている。

 五輪開催を目前にした北京では、奇想天外な建物の建設ラッシュだ。鳥の巣、泡、卵、ねじれたドーナツ……。そのユニークな形状のせいだろうか、なんだか深い意味が秘められた巨大なモニュメントのようにも思えてくる。



まるでねじれたドーナツのような中国中央電視台本社。傾斜をもたせた2つの棟がそれぞれ横に折れ曲がり、上空で連結。ひとつながりの輪となる構造は「共同作業」を象徴的にあらわすという。
まるでねじれたドーナツのような中国中央電視台本社。傾斜をもたせた2つの棟がそれぞれ横に折れ曲がり、上空で連結。ひとつながりの輪となる構造は「共同作業」を象徴的にあらわすという。

 ある日のお昼休み。中国世界貿易センタータワーの建設現場からヘルメットをかぶった何千人もの男たちがあふれ出す。74階建ての高層ビルで、完成の暁には北京随一の高さを誇ることになるという。いま、北京にあるこのような建設現場で働く建設作業員がおよそ100万人以上といわれる。

 その大半は地方からの出稼ぎ労働者で、現在急ピッチで進んでいる何千という建設事業を支えている。かつては紫禁城など巨大だが単調な公共建築物ばかりが目立って平板な景観だった北京だが、いまは“摩天楼フィーバー”の様相を呈している。

 過去30年以上にわたり、中国経済が年平均10%近いGDP成長率を達成できたのは、世界水準の技術を海外から導入して、それを事業化するために大量で廉価な労働力を原動力としてきたからだ。

 建設業界もまた同じだ。海外の建築家たちが腕を競うように新しいコンセプトや技術を取り入れた建物を建て続けてきた。「まるで建築家の遊び場」と揶揄されることもあるほどだ。1990年代には、上海に斬新な高層ビルが林立。そして今、北京では8月のオリンピックに向けて、異様なほどの急ピッチでさまざまな建物が建設されている。

 北京の最新の建造物は、外観的には従来の概念をうち破り、技術の限界に挑戦する斬新なものが多い。大規模な建設事業の大半は、外国人の建築家が設計を手がけたものだ。「中国の建築主は革新を望むがゆえに海外に人材を求めるのだ」と、多くの外国人建築家家たちのは言う。

 1960年代後半からの文化大革命時代には、建築家は芸術家ではなく技師とされていた。それどころか、ほんの10年前まで民間の建設会社もほとんどなかった。「外国人を雇うことで、中国人は失われた30~40年分の経験を買っている」といわれる。

 装飾的な上部構造や入り組んだ格子細工、実験的な建築技法。外国人建築家たちにとっても、本国ではコスト面の制約からとても実現できないような設計でも、中国でなら可能だ。それは低賃金労働者がいるからにほかならない。

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