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エイミー・タンが見た「伝統を守る少数民族の村」

シリーズ中国【第5回】 

  • 藤田 宏之

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2008年5月30日(金)

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 貴州省に1000年以上も暮らすトン族は文字をもたず、歌で伝承や歴史を伝える。この少数民族の貴重な伝統と風習は近代化の波にのみ込まれつつある。映画にもなった「ジョイ・ラック・クラブ」の作者、エイミー・タンが、「ナショナル ジオグラフィック日本版」の5月号に、紀行文を寄せてくれている。

 「村への入り口を示す、高くて立派な門にたどり着いたとき、日はすでに暮れかかっていたが、辺りにはまだ昼の熱気が残っていた。土がむきだしの山道を登りきると、収穫の時期を迎えた谷あいの眺めが目の前に広がった。あちこちの山腹に、穂が実った棚田が連なっている。

 突然、10歳ほどの少女が2人こちらに駆けよってきて、左右から私の腕をとると、きびきびしたリズムで歓迎の歌を口ずさみながら板石敷きの小道を一緒に歩き、3階建ての木造家屋が迷路のように立ち並ぶ村の中へと案内してくれた。



一家の所有する山腹の棚田を訪れた5歳になる少女は、鮮やかな色の髪飾りを店で買った。外の文化がこの村にも押し寄せている証だ。
一家の所有する山腹の棚田を訪れた5歳になる少女は、鮮やかな色の髪飾りを店で買った。外の文化がこの村にも押し寄せている証だ。

 家の軒先から、頭にターバンのような布を巻いた老女たちがこちらを眺めていた。しわだらけの老人たちは、毛沢東がかぶっていたような古めかしい帽子を頭にのせ、パイプをくわえたままこちらを見上げた。

 何人もの子供たちが私たちの後についてきた。私は少女たちに案内され、柱と屋根だけでできた穀物小屋の前を次々と通りすぎていった。何軒かの小屋のかたわらには、凝った装飾を施した飾り棚のようなものがいくつか並んでいる。

 これらの箱は、死者をあの世に運ぶための、特注品の棺だ。村の人々は子供が生まれると、その子がいずれ埋葬されるときに備えて木を選び、その木を使ってこうした棺を作らせる。

 私がたどり着いたのは貴州省の緑豊かな山間にある地捫という村だ。ここには少数民族のトン族に属する5部族、528世帯が暮らしている。ここは貧しい、ひなびた土地だ。厳しい干ばつが2年続いた後、この地方は洪水に見舞われた。

 私が訪れた年の収穫期は、ことのほか暑かった。知り合ったばかりのトン族の友人の1人が、「平坦な土地は3フィート(約1メートル)と続かず、雨の降らない日は3日ともたず、どの家も蓄えは銀貨3枚もない」と、この村を表す昔からの言葉を教えてくれた。

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