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財布の紐が緩まない米経済の未来

  • 神谷 秀樹

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2008年6月2日(月)

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 米経済を巡る日本の論調には「米国は金融危機を脱した」という安心感が漂っているものが多い。しかし、米国で暮らしている実感からは、相当にずれている。

 3月にFRB(米連邦準備理事会)がニューヨーク連邦銀行を通して行った策(参考)は、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)で問題になった住宅ローン証券化市場を、実質的に国有化したことにほかならない。売り手一方で買い手が全くいなくなってしまったからだ。

 これには破綻したベアー・スターンズが保有していた不良債権を保有する特別目的会社への融資や、金融機関が抱える流動性のない証券を担保に国債を貸し出す措置を含む。ニューヨーク連銀のこうした措置を、前連銀総裁のポール・ボルカー氏でさえ、「中央銀行に与えられている権限の中で、合法か、非合法かの境界線にあるもので、前例のない措置である」と語っている。

 証券市場の一部を実質的に国有化するというのは、債権の不良度合いの進行を遅くすることには貢献するが健全化することにはならない。米国の2008年1-3月期の住宅価格は、前年対比で14%下落している。底入れまでには更に10%程度の下落が必要だという意見が多い。新規の一戸建て住宅の着工数は、この17年間で最低水準だ。サブプライム関連の債権焦げ付きは、発表される度に上昇しているが、現在30%の後半に入ろうとしている。根本的な問題は何ら解決していない。住宅市場は悪化する一方だ。

車の走行距離を対前年比で110億マイル削った米国の消費者

 金融市場の混乱は、実体経済にも影を及ぼしている。金融機関の収益は、米国全体の企業収益の30~40%を占めている。現在同産業は大幅な減益または赤字で苦境にある。。世界の金融機関は昨年15万人の人員削減を実施し、今年もさらに15万から20万人削減すると予測されている。

 フォード・モーターは2009年の黒字回帰を諦め、2000人を解雇する旨を発表したばかりだ。自動車産業は石油の値上がりと、消費者金融の引き締め、消費者心理の悪化で、さらに業績を落とすと予想されている。航空会社、家具、小売業では、倒産がのきなみ拡大している。倒産した会社が会社更正法により再建されるケースが減り、一挙に清算されるケースが増えている。

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