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Web 2.0はどこへ行ったか

イノベーション2.0:低取引コストでのR&D外部化

2008年6月20日(金)

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 一時ほど、Web 2.0という言葉を耳にしなくなった気がする。

図1 fad(一時的な爆発的ブーム)

図1 fad(一時的な爆発的ブーム)

図2 plateau(高原状態)

図2 plateau(高原状態)

 来る日も来る日も聞かされていた言葉が、さほど目立たなくなってくるという場合には、2つのケースがある。

 1つは、いわゆるfad(一時的な爆発的ブーム)だった場合。切り立った山のような形で盛り上がりを見せたものが、これまた急カーブを描いてしぼんでいく。図にしてみると、このような感じだろうか(図1)。

 もう1つは、plateau(高原状態)である場合だ。図2のようなイメージで、実際には、従来と違うレベルで新しい状態が定着したケースである。この場合、変化率が大きい時期には報道などで触れられることが多いものの、世間が新しい状態に慣れるにつれ、実態の変化やそのインパクトの大きさにかかわらず、あまり取り上げられなくなる。

 Web 2.0というのは、明らかに後者だろう。その言葉の定義の曖昧さや、「世界を変える」といったやや大仰な取り上げ方、といった問題点はあるものの、Web 2.0は、様々な形で定着してきており、ひっそりと、しかし着実に活用する個人や企業が増えてきているように思える。

R&DへのWeb 2.0型「場」の活用

 こういった着実な活用の例として、R&D(研究開発)に社外のネットワークを活用する動きが出てきており、なかなか興味深いものがある。

 例えばInnoCentiveという「場」がある。ここでは、R&D上の難問を解決したい企業から「こういう条件で、この時期までに、この問題を解決してくれれば、賞金を出す」という掲示がなされる。これに対して、登録した科学者や研究者が解決策を提供し、その中で、最も優れた解を出した個人が賞金を獲得する、というものだ。

 具体的な例を挙げてみよう。ある時、
―ある匿名の企業からの課題#3109
―15カ月後がデッドライン
―R4 butanic acidという化合物を、2ステップ以下のプロセスで、80%以上の歩留まり、95%以上の純度、1キロ100ドル以下のコストで、合成する手法を求む

といった掲示がなされた。

 この課題#3109の場合、実際に7カ国10人のメンバーから、解とサンプル化合物が提供され、ある製薬企業を引退した科学者が賞金2万5000ドルを得た。

 InnoCentiveの場合、課題を掲示した企業とは別の領域で研究をしていた科学者・研究者から、異分野ならではのユニークな解決策が提供されることが多いという。

 もう1つ、The MathWorks社のユーザー・コミュニティーであるMATLAB Centralという「場」を紹介しよう。ここでは、個々人が解決策のアイデアを提示すると、他の人がそれに自分のアイデアを付け加えたり、別のより良い解決策を出したりする形で、複数の参加者による擬似プロジェクトが進行する。この場合には、個人の知恵にとどまらず、アイデア間の相互作用が生まれてくることで、当初思いもしなかったユニークな解決策がもたらされることが期待されているのだ。

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「Web 2.0はどこへ行ったか」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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