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石油景気に沸くロシア、西シベリアの石油成金たち

  • 藤田 宏之

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2008年6月20日(金)

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 いまや世界最大の産油国となったロシア。その石油生産の7割を担う西シベリアの町は、好況に沸く一方で、不法移民などの問題も抱えている。

 夜中のレストランのダンスフロアでは、何組もの男女が、歌手の甘い歌声に合わせてゆったり身を揺らしている。「ザ・ナス、ザ・ネフト― 私たちに、石油に乾杯」。



長く厳しい冬にうんざり、という西シベリアの住民たちには、エジプトやトルコ、スペインなど温暖な国へのツアーが人気だ。緑の葉をつけたヤシの木は、富と贅沢の象徴として、ディスコやカジノの装飾、広告塔などによく使われる。
長く厳しい冬にうんざり、という西シベリアの住民たちには、エジプトやトルコ、スペインなど温暖な国へのツアーが人気だ。緑の葉をつけたヤシの木は、富と贅沢の象徴として、ディスコやカジノの装飾、広告塔などによく使われる。

 この日は、西シベリアのハンティ・マンシ自治管区の祝日「石油労働者の日」だ。大量の蚊に悩まされる夏が終わった9月初め、石油労働者をねぎらう祝日が設けられている。野外のスポーツ施設で催された祝典には、何千人もの人々が集まった。

 暮れなずむ空に無数の風船が放たれ、外灯に照らされた仮設ステージの上で、合唱団が針葉樹の森をバックに石油労働者の思いを歌う。「私たちのただ1つの喜び/ただ1つの望みは/掘削機が掘りあてた/新しい油をこの顔に浴びること」。

 石油に乾杯したくなるのも無理はない。国際市場では、原油価格が10年前の10倍にまで高騰した。石油景気に沸くロシアは、いまやサウジアラビアを抜いて世界最大の産油国となった。政府は公共事業や国防事業に巨額の予算を投じ、モスクワの新興成金は大邸宅並みのダーチャ(別荘)で贅沢にふけっている。

 好景気を支えるのは、ロシアの石油生産の約7割(1日約700万バレル)を担う西シベリアの油田地帯だ。中央部のハンティ・マンシ自治管区はフランスとほぼ同じ面積。かつては辺境の地だったが、いまでは潤沢な資金が流入し、欧米並みの生活も夢ではない。

 行政の中心地ハンティ・マンシースクには、空港ターミナルや美術館、数学と芸術の英才教育校など、真新しい建物が並ぶ。自治管区の主要都市スルグトも、数十年前までは田舎町にすぎなかったが、いまでは渋滞が起きるほど車が増え、郊外の住宅開発も進んでいる。

 だが、にわか景気に浮かれていては、さらなる発展のチャンスをのがしかねない。西シベリアの石油生産はここ数年伸び悩み、2004~07年の産油量は、ほぼ横ばいだった。

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