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浅岡美恵・気候ネットワーク代表に聞く

政治の弱腰が日本の産業をダメにする
洞爺湖は“ラストランナー”返上の好機

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2008年6月23日(月)

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2008年7月7日、北海道洞爺湖町で主要国首脳会議「洞爺湖サミット」が開催される。1997年採択の「京都議定書」の第1約束期間(2008~2012年)終了後の温暖化防止についての国際枠組みが主要テーマになり、「ポスト京都」とも呼ばれる。日本はサミット議長国として、どのようなメッセージを発すべきか。日経エコロジー記者が、浅岡美恵・気候ネットワーク代表にお聞きした。

――日本の産業界は、業界ごとに自主行動計画を策定して、CO2(二酸化炭素)の排出抑制に取り組んでいます。業界の自助努力に委ねるという、世界的にも珍しい施策ですが、自主行動計画に対して、浅岡さんは批判的な見方をされていますね。

気候ネットワーク代表の浅岡美恵さん

気候ネットワーク代表の浅岡美恵さん(写真:吉田竜司、以下同)

 世界中の科学者でつくるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が昨年発表した「第4次評価報告書」を受けて、100年後の平均気温の上昇をなんとか2度にとどめようと世界中が努力しています。平均気温が1度上昇するということは、150キロメートル南下することと同じだそうです。2度の上昇でも300キロメートルです。仮に気温が4度上昇すれば、私たちの事務所がある京都には、クリアな四季はなくなります。そうなれば、京都の文化の基礎が失われてしまいます。

 温暖化を食い止めるには、目標とした年までに目標とした量のCO2をきちんと削減できていなければなりません。ところが自主行動計画ではCO2の削減量が担保できません。各業界は、計画の目標値を4種類(CO2排出量・原単位、エネルギー消費量・原単位)から任意で選べます。原単位(生産量や売上高当たりの排出量や消費量のこと)を目標に掲げる業界が多いのですが、これでは目標を達成してもCO2排出量自体は増えていたということになりかねません。

 しかも、それぞれの業界の中で各企業がどれだけの削減を分担しているかが、外から見ても分かりません。同じ業界でも企業によって取り組みには温度差があるはずです。業界は必死で対応していると言いますが、本当に皆が本気になってやっているかどうか、業界全体の数字しか見えない自主行動計画ではそうした検証はできません。

 やはり削減量を確実なものにするには、企業に対してCO2排出量の上限(キャップ)を割り当てるキャップ・アンド・トレード(過去記事の「環境用語解説」参照)などの排出量取引制度を導入する必要があります。

――それでも産業界には自主行動計画での目標達成を支持する声が強いですね。

 彼らが一番抵抗しているのは、やはりキャップをかけられるという点です。でも、大幅なCO2削減を達成するためにはキャップがどうしても必要になります。今の温暖化の進行状況を考えると、生産量によってCO2排出量が増えるか減るか分からない、結果を見ないと分からないような自主行動計画のような仕組みでは、将来的にはマイナスのコストの方がはるかに大きくなります。

 2009年末にデンマークのコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP15)では、いわゆるポスト京都議定書の枠組みが決まります。日本も京都議定書どころではない削減を迫られることになります。もし、それでも抵抗して「自主行動計画でいいのだ」と言い続けたとしたら、リスクを一番負うのは日本経済です。日本経団連の主張にくみさずにリコーのように自分たちでやろうとしている企業と、そうではない企業では結果が違ってくると思います。

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