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戦禍を超えてよみがえったアフガニスタンの輝ける至宝

  • 藤田 宏之

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2008年6月27日(金)

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 第4作目が公開された人気映画「インディ・ジョーンズ」シリーズでは、敵役として財宝を狙うナチス・ドイツの軍人たちが常連のように登場する。ことほどさように、地球上に点在する歴史・文化遺産と国家の覇権は切っても切り離せない。

 大英博物館にしろ、メトロポリタン美術館しろ、そこに世界中の文化遺産が集まっていることが示す事実は1つ。その国の覇権が世界中に及んでいるか、かつて及んだ時期があった、ということだ。

 だが、列強が覇権を競い合った帝国主義の時代と違い、現代は“対テロ戦争”の時代。文化遺産の保護にもそんな時代背景が影をを落としている。

 「ナショナル ジオグラフィック日本版」6月号では、戦乱をくぐり抜けて、よみがえりつつあるアフガニスタンの文化財に注目し、その現状をレポートした。



象牙で作られた女性像。体をくねらせた姿は女神ガンガーと似ている。ベグラム遺跡からは数点で作った装飾品が数百点出土しているほか、中国の漆器やエジプトのガラス容器など外来の文物も見つかっている。アフガニスタンが古代世界における交易拠点だったことを物語る証拠だ。
象牙で作られた女性像。体をくねらせた姿は女神ガンガーと似ている。ベグラム遺跡からは数点で作った装飾品が数百点出土しているほか、中国の漆器やエジプトのガラス容器など外来の文物も見つかっている。アフガニスタンが古代世界における交易拠点だったことを物語る証拠だ。

 アフガニスタンのカブールにある国立博物館の館長を務めるオマラ・カーン・マスーディさんはその真っ直中にいる1人。旧ソ連の侵攻以来、内戦が長期化し、祖国がこの世の地獄に変わっていく中で「カギの番人」と呼ばれる数人の仲間とともに、アフガニスタンの文化財をひそかに隠した。祖国の歴史を物語る貴重な証拠が、戦乱で失われるのを防ぐためだ。

 1979年に旧ソ連軍が侵攻した後、約10年間にわたって激しい内戦が続き、カブールの大半が廃墟と化していた。軍閥たちが首都の支配権を巡り戦うなか、配下の民兵たちは国立博物館を略奪し、価値の高い収蔵品を闇市場に流したり、博物館の文書をたき火として燃やした。1994年には博物館が砲撃され、建物の屋根と最上階が破壊された。

 さらに2001年になると、イスラム主義政権タリバンの熱狂的な支持者たちが博物館に乱入し、ハンマーを振り回した。彼らは偶像破壊という名目で2000点を超す文化財を粉々に破壊したのだ。

 こうした暗黒の時代、マスーディさんら数人の博物館職員は、貴重な収蔵品の在りかを決して明かさなかった。彼らは、アフガニスタンの至宝「バクトリアの黄金」をはじめとする収蔵品を、1988年に大統領宮殿の地下金庫に隠していたのだ。それを知らなかった世界中の研究者たちは、収蔵品が古美術品の闇市場に流されたり、タリバン政権によって破壊されてしまい、再び見ることはできないだろうとあきらめていた。

 その後、米国を中心とした連合軍によるアフガニスタン侵攻とタリバン政権崩壊の混乱によって、「カギの番人」の大半が行方不明になるか、国外へ脱出していった。

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