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本物のおもてなしで、国境を越える-上

年間50以上のチャーター便を呼び寄せる高級旅館とは

2008年7月7日(月)

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 2003年7月7日に開港した能登空港が好調だ。初年度、石川県などがエアーニッポン(ANK)に1日2便の就航を確保するため搭乗率70%を下回った場合は資金を助成することで合意したところ、結果は79.5%と目標を上回った。数値はその後変更されているが、2年目以降も目標とする搭乗率をクリアしてきた。

 この能登空港躍進の陰には、ある旅館の存在があった。それは、「日本一の旅館」と言われる和倉温泉の加賀屋。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で28年連続総合1位の評価を受けている石川県の老舗旅館である。

 加賀屋は1995年以降、台湾人観光客の開拓に力を入れてきた。能登空港の開港後は台湾の旅行会社と組み、台湾と能登のチャーター便を企画。毎年、50便前後のチャーター便を飛ばしている。2004年には年間で1万7000~1万8000人の台湾人観光客を受け入れ、昨年は能登半島地震の影響で減少したがそれでも1万2000人が訪れている。

 国内の人口が減少していく中、海外の観光客の取り込みは観光業界や地方経済にとって1つの課題だろう。これを実現している加賀屋の取り組みは、観光業界や地方空港活性化の1つの方向性を示している。同社の台湾シフトの路線を引いた小田禎彦会長にこれまでの取り組みや狙いを聞いた。

(聞き手は日経ビジネス オンライン副編集長 真弓 重孝)

小田禎彦(おだ・さだひこ)加賀屋会長
1940年生まれ。立教大学卒業後、62年加賀屋入社、79年加賀屋社長、2000年会長、現在に至る。加賀屋は2006年9月に創業100周年を迎え、小田会長は3代目に当たる

(写真:花井 智子)

 ―― 加賀屋には年に1万人を超える台湾人観光客が訪れていると聞きます。これはかなりの数字だと思うのですが、こうした海外戦略はいつ頃から始めたものなのでしょうか。

 小田会長 あれは1995年だから13年前になりますかね。台湾トヨタのディーラーの方々が宿泊されたことがありました。

 それまでも、台湾トヨタさんはディーラーの方を東京や大阪のホテルに招待し、工場視察と同時に観光を楽しんでいただく、ということをやっていたようです。ただ、台湾にも立派なホテルがあるのに、日本のホテルに泊めて、工場を見てもらうだけだったら本物の日本と接する機会がない。

 それならば、地方の旅館に連れていって、大浴場に入れて、和食を食べてもらい、布団で寝る。世話をするのは、和服を着た客室係という体験をしてもらったら面白いのではないか。台湾トヨタさんと旅行会社の間でこんな話になった。それで、95年に、300人ぐらいのディーラー御一行をお迎えしたわけです。

 この旅行が予想以上の好評だった。実のところ、宿泊費はかなり高い。台湾では1泊2食付きで9500円が相場でしょうが、その4倍くらいはかかっていますからね。それでも、これだけ喜んだのだから、ちょっと単価は高いけれども通常のツアー企画として売りたい、と台湾の旅行会社が言われた。東南旅行社というJTBの関係のある会社です

加賀屋のある和倉温泉から
車で約40分のところにある能登空港

 「(台湾で売るのは)難しいのではないか」と私は思ったけど、万が一うまくいけばいいと思って、「是非売ってくださいよ」と返事をしました。すると実際に売ってみると、すべて売り切れ。それから13年連続でこのツアーが続いています。やはり、現地の旅行会社が力を入れて売ってくださったのが大きかったのでしょう。

接客係の「ホスピタリティ」は万国共通

 極端な話、加賀屋は日本よりも台湾の方に人気が出たかな、と思うほどにリピーターが多い。6回、7回来てくださるご夫婦はごろごろいる。中には、13年連続で参加されるご夫婦もいらっしゃいます。

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「本物のおもてなしで、国境を越える-上」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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