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温暖化で加速する山火事の恐怖

  • 藤田 宏之

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2008年7月4日(金)

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 7月7日から北海道の洞爺湖で開催されるサミットでは、地球温暖化、環境問題が主要なテーマとなる。「ナショナル ジオグラフィック日本版」の7月号では、温暖化の影響で米国の山火事の脅威を拡大している実態をリポートした。米国西部では、春の終わりから秋にかけて山火事が多発する。近年、温暖化の影響で発生する期間が長くなり、住民たちは不安な季節を迎えている。

 最前線で奮闘する消防隊員たちの努力は、消防隊員はモミやポンデローサマツの木立の下に茂る草地に分け入り、落ち着いた様子で森に火をつけた。手にした着火用のトーチを絵筆のように振るい、ガソリンとディーゼル油を辺り一面にまいて点火していく。炎はゆっくりと草地を這い、低く垂れた枝を燃やす。数分ごとに1本また1本とモミの木に燃え移り、閃光を発し、轟音を立てて炎に包まれる。木々は瞬く間に燃え、黒焦げになってくすぶり続ける。

 消防隊員たちは、「向かい火」と呼ばれる作業に励んでいた。2007年7月のある土曜日の昼前、米国アイダホ州の各地で山火事が発生し、避難勧告が次々と出されていた。今、隊員たちが消火にあたっているのは、“ラッキー”と呼ばれる山火事で、州都ボイシーから車で2時間ほど北にある国有林で起きた。米国西部の多くの山火事と同様、ラッキーも落雷が原因で発生し、2週間かけて550ヘクタールあまりを焼き尽くした。



トーチを使ってモンタナ州の山火事に“向かい火”を放つ消防隊員。水が乏しい土地では、山火事の進路にある草木を意図的に焼き払って延焼をくい止める。
トーチを使ってモンタナ州の山火事に“向かい火”を放つ消防隊員。水が乏しい土地では、山火事の進路にある草木を意図的に焼き払って延焼をくい止める。

 隊員たちは何時間も、森に火をつけ続けた。向かい火は、山火事の進路から燃えそうな草木をなくし、延焼を食い止めるのが目的だ。だが山火事は、必ずと言ってよいほど抜け道を見つけて燃え広がる。しかも、向かい火のせいで火災がかえって拡大することも多く、そうなると非難の矛先は消防隊員に向けられる。

 午後遅くなって隊員たちは手を休め、作業の成果を確かめる。辺りには黒焦げになった土地が広がっている。やがて風向きが変わり、弱い北風が吹き始めた。空を見上げると、真っ赤に燃える火の粉が、まだ燃えていない森に向かって飛んでいった。

 「まずいぞ」。そう言うと、隊員たちは茂みに駆け込み、新たに火がついた場所がないか探した。幸いにも、火が燃え移った場所はなく、今のところ向かい火は期待通りの成果を挙げている。

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