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世界最大級モンゴルの金鉱開発~大統領と議会の闘争

  • 谷口 正次

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2008年7月8日(火)

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 モンゴルでは6月29日に4年に1度の国民大会議総選挙が行われた。大相撲元小結旭鷲山が最大野党の民主党から立候補してトップ当選を果した。選挙結果は76議席を争って与党・モンゴル人民革命党が46議席獲得して勝った。民主党も議席を増やしたが27議席にとどまった。

 選挙は直前まで民主党が地滑り的に大勝することが期待されていたが、結果的には与党に過半数を取られた。7月1日、この選挙で開票に不正があったとして民主党支持者が暴動を起こし死者5人を出したため、エンフバヤール大統領はただちに4日間の非常事態宣言を発令した。今回の選挙で野党民主党の躍進に期待していた民衆が暴徒化したものである。

 1990年、旧ソ連邦から解放されたのにソ連時代の共産党指導者が人民革命党と名前を変えて政権の座に居座り、民主化が一向に進まないことに加えてインフレによる物価高騰と貧富の格差拡大に対する不満が限度に達していたわけである。

 しかし、この選挙結果に固唾を呑んで注目していたのは、モンゴル国民だけではない。国際鉱物資源メジャーたち、投資家たちそして資源保有の外国政府である。筆者もその1人である。それは今回の選挙の大きな争点の1つが、30億ドルという世界最大級の金鉱山開発に伴う権益にかかわる問題だからである。この問題について、政府と議会と外資の間で権益と開発許可条件をめぐって延々と5年間論争が続けられてきた。

 当の金鉱山は、ゴビ砂漠南部、首都ウランバートルから550キロメートル、中国との国境から80キロメートル北にオユトルゴイ(Oyu Tolgoi)別名トルコ石の丘(Turquoise Hill)と呼ばれるところにある。そこできわめて有望な金・銅鉱床が発見され、カナダの鉱山会社、アイバンホー(Ivanhoe Mines)が探鉱を進めてきた結果2006年9月に、開発計画を立て、オユトルゴイは世界最大級の金・銅鉱山になると発表した。

 2006年10月には、資源メジャー世界第2位のリオ・ティント・グループがアイバンホーに投資して筆頭株主となって戦略的パートナーシップを築くことで合意した。リオ・ティントの投資は開発費として23億USドル、46.65%のシェアを取得することになっている。

 ただし、問題はモンゴル政府とアイバンホー社の間の開発投資契約がリオ・ティントにとって満足すべきものにならない場合には、リオ・ティントとアイバンホーとの合意文書は凍結され、開発事業は停止されることになっている。このことが問題で、このたびの総選挙の結果が重要なカギを握っていたわけだ。いくら政府と合意しても議会で批准されなければゴーサインが出せない。

 これまで、政権は前共産党のモンゴル人民革命党の元リーダー、エンフバヤール大統領と同党のバヤール首相が運営していた。バヤール政権は、既に2007年にはアイバンホー社に開発許可を与えていたのに、野党側が結束して強硬に反対し議会の承認がどうしても得られず現在に至っていた。その理由は、政府とアイバンホー間の契約内容があまりに企業側に好都合で不平等なため国益を損ねるとともに国の法律に違反するということであった。

 特に、契約条項で、「モンゴルの法律に抵触する場合でも、この契約に従う」という文言が野党に追及されていた。

 そして、契約書の調印の取りやめを求め、大統領の解任と議会の解散を迫っていた。不平等な契約内容とは、排他的な採掘許可期間が80年と非常識に長いこと、外資の権益66%は大きすぎること、鉱産税率が低く、税優遇期間が10年と長すぎることなどであった。

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