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建設的ビジョン提示という行政の社会的責任(2)

2008年7月29日(火)

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 前回頂いた読者からのコメントを拝見して「文化」という言葉に対して異なる見方を持った方がおられるように思いました。あえて二分すれば、1つは、「文化」というものが(例えば博物館に箱に入ったような形で)既に存在していて、関係があるとすれば受け身の立場で享受するもの、とお考えのご意見、もう1つはそうではない、自らもそこに関わり得るアクティブなものとしてお考えのご意見。また「(文化)行政」という言葉についても、やはりズレがあるようで、あえて解り易く記すなら「行政とは突きつめれば予算を分配すること」とも読めるご意見も頂いたように思いました。

 大阪では7月23日に今年度の一般会計予算が成立したとの報道がありました。前回も記しましたが、この話題で私が行政の社会的責任として問うているのは、予算の配分にとどまらない「建設的ビジョンの提示」という具体的な政策の問題にほかなりません。

 もちろん財政を破綻させるようなことがあってはならないのは言うまでもありません。今回はより具体的にこれについてご説明したいと思います。

 また、行政の首長としての「反射神経」についても正確にご理解いただくコメントを頂戴し、深く感謝しています。予算成立後にも典型的な例がありましたので、まずここから具体的にご説明したいと思います。

知事の肖像権・パブリシティー権

 予算案が府議会を通過した翌7月24日、大阪府池田市の第3セクター「いけだ3C」が商品化した岩おこし「大阪維新なにわのまち お・こ・し」に橋下徹知事の似顔絵を包装紙に描いた菓子を商品化、26日から伊丹空港などで発売しようとしたところ、「商業利用は一切認めていない。肖像権、パブリシティー権の侵害の可能性もある。商品を確認したうえで、法的措置も含めた対応を検討する」という趣旨のコメントを知事自身が出したとの報道がありました。

 そして、その翌日、つまり発売前日の25日、直ちに前言が撤回されました。過去に池田市の倉田薫市長に「品質保証に問題がなければ目くじらを立てることではない」と話し、事実上の使用許可を与えていたことを知事が思い出した、とのこと。このように、矢継ぎ早に方針を変える「反射神経のよさ」が、非常に民事訴訟的に見えます。

 タレント知事とキャラクターグッズと言えば、誰もが思い浮かべるのが宮崎県の東国原知事でしょう。「そのまんま東」知事はキャラクターの肖像権等を一切主張せず、似顔絵の描かれた地鶏や漬物など500点以上が発売されているとのこと。宮崎では「肖像権・パブリシティー権の侵害」といった議論は出ていないようです。キャラクター商品の単価や出荷数から粗利を見積もり、権利侵害を提訴して勝訴すればどの程度の金額になる、といった概算は民事法廷のプロには簡単でしょう。これがもし個人の一タレントであれば大いに主張して構わないことだと思います。

コメント13件コメント/レビュー

文化という面から視点を変えて。立川談志の「現代落語論」の一読をお勧めします。このなかで談志は、「このままでは落語は能などと同じように一部の好事家のみに支えられる伝統芸能になってしまう」と当時の落語会に強い危機感を持ち、その後(彼の言動に対する毀誉褒貶はありますが)落語会の先頭を走り続けています。クラシック音楽の演奏家にこのような危機感を持ち、実際に行動しているかたがおられるでしょうか?現在落語ブームと言われてますが、これを支えているのはテレビで「林家正蔵襲名披露」や笑点を見た視聴者ではなく、談志門下の志の輔、談春、志らくや春風亭昇太や柳亭市馬、柳家喬太郎等「金を払っても見たいと思う落語家」のライブに足を運ぶ人たちです。行政であれ個人であれタニマチに依存する文化はタニマチの経済状態に振り回されます。タニマチに「急に金を減らされたら困る」と言うのは無理筋じゃないでしょうか?(2008/07/31)

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文化という面から視点を変えて。立川談志の「現代落語論」の一読をお勧めします。このなかで談志は、「このままでは落語は能などと同じように一部の好事家のみに支えられる伝統芸能になってしまう」と当時の落語会に強い危機感を持ち、その後(彼の言動に対する毀誉褒貶はありますが)落語会の先頭を走り続けています。クラシック音楽の演奏家にこのような危機感を持ち、実際に行動しているかたがおられるでしょうか?現在落語ブームと言われてますが、これを支えているのはテレビで「林家正蔵襲名披露」や笑点を見た視聴者ではなく、談志門下の志の輔、談春、志らくや春風亭昇太や柳亭市馬、柳家喬太郎等「金を払っても見たいと思う落語家」のライブに足を運ぶ人たちです。行政であれ個人であれタニマチに依存する文化はタニマチの経済状態に振り回されます。タニマチに「急に金を減らされたら困る」と言うのは無理筋じゃないでしょうか?(2008/07/31)

前回の論点が単に行政による文化保護への予算配分に留まるものではなく、文化行政全体に対する視点からのものということは、今回のお話でよく分りました。また、人材の育成とともに育成した人材の活用が整合的であるべきとのお話もなるほどとは思います。しかしながら、育成した人材を活用するためには活躍する場(=職場)を設けるべきというのは、少々疑問に思います。そもそも大学等で学んだ専門知識をフルに活用して働けるようなことはごく稀でしょうし、特に文化的な専門知識であれば、職業としてに限らず、他にも活用の方法はあるのではないでしょうか。音大を出て普通の主婦となることが税金の無駄と言うのは、音大で学んだことにより、その家庭や周辺社会が文化的に豊かになる効果などを無視した議論であり、あまりにも短慮ではないかと思います。(2008/07/30)

他のコメントにもあるが、「日本の高等芸術教育がマス的に多すぎる」ということと、「老境に達した巨匠は若々しい」ということは必ずしも論旨としてつながらない。高等芸術教育の在り方の改善(当然、削減を伴うもの)とともに、朝比奈さんのようなセカンドライフへの対策を組織的に確立する(Jリーグでは多少実施されている)方向性について論じた方が内容が明確になったのではないか。(2008/07/30)

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