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【ルーマニア報告】欧州最大の金鉱山開発をめぐるバトル

ジョージ・ソロスも参戦

  • 谷口 正次

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2008年8月5日(火)

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 ルーマニアといえばチャウシェスク、コマネチ、そして吸血鬼ドラキュラが思い浮かぶ。そのルーマニアで、欧州最大の金鉱山開発の是非をめぐってバトルが続いており、いま世界が注目している。

 カナダの鉱山会社が西部山間地のロシアモンタナ(Rosia Montana)という地域で大規模に金・銀を採掘しようというプロジェクトである。それに対して、ルーマニア政府、議会、地域住民反対組織、考古学会、科学アカデミー、国際NGO(非政府組織)、EU(欧州連合)議会、国際金融機関、資源メジャー、それになんと米国の投資家、億万長者のジョージ・ソロス氏まで加わってバトルが展開されているのである。

 7月半ば、その現場を取材してきたので以下現状をお伝えしたい。

 この地域は約2000年前のローマ時代から最近まで金が採掘され、山塊の地下にはいまでも広範囲にわたって無数の坑内採掘の跡が残っており坑道が縦横に走っている。昨年世界遺産に登録された石見銀山よりも歴史的にはるかに古く、規模も大きく文化遺産として大変価値あるものとしてルーマニア科学アカデミーや世界の考古学会からも評価されているところであるが、国の鉱業地帯に指定されているため、これまで世界遺産に申請するなど思いもよらないことであった。

 最近まで国営鉱山会社が細々と採掘を行っていた。ローマ時代から掘り続けられた鉱床一帯にはまだ多くの金が残っているので、今度は現代の大規模露天採掘・精錬技術で根こそぎ掘ってしまおうという計画である。

 カナダの探鉱会社が目をつけて探鉱、開発計画を進めてきたものである。鉱石中の金の含有量は1トン当たり1.5グラム、銀が7グラム。鉱石は2.2億トン、1年に約1300万トン採掘して16年間分の鉱量である。したがって、金は330トン、銀が1700トン取れることになる。これは時価で100億ドルの価値と見られている。金価格高騰から、鉱山会社としては1日も早く採掘を始めたいところだ。

 しかし採掘が行われる場所が問題だ。開発計画地域周辺2カ所の谷筋には、4つの教会、墓地、そして2000人が住む村落があるので、すべて移転させなければならない。それは、鉱石を粉砕して金を取り出す精錬過程で発生する2億トンの大量のテーリングと称する廃棄物を堆積するダムと、金の精錬に必要な大量の水を貯めるダムを建設するためである。会社側は、家屋と土地の買収をなかば強引に進めてきたために地域社会の人たちが反対に立ち上がった。反対理由は3つある。

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