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バブル世代には、なぜか懐かしい、今どきのモスクワの妖しい夜に潜入

  • 藤田 宏之

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2008年8月8日(金)

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 日が暮れると真っ赤な高級スポーツカーが街路を疾走する。繁華街には“バブル紳士”たちが徘徊し、ナイトクラブで夜通し遊ぶ。

 ナショナル ジオグラフィック日本版8月号では、『ゴーリキー・パーク』などのヒット作で知られる米国のミステリー作家、マーティン・クルーズ・スミスさんが、ロシアの首都、モスクワに“潜入取材”し、現地レポートを寄せている。
 その様子はまさに、日本がいつかきたバブル時代そのものだ。



厳寒の中、赤の広場に面したブティックに向かう買い物客。豊かさに浸りきった富裕層にとってマルクスやレーニンの威光は、ディオールやアルマーニなどの高級ブランドの輝きに及ばない。
厳寒の中、赤の広場に面したブティックに向かう買い物客。豊かさに浸りきった富裕層にとってマルクスやレーニンの威光は、ディオールやアルマーニなどの高級ブランドの輝きに及ばない。

 「石油景気にわく首都モスクワには現在、世界で最も多くの大富豪がいる。1990年代以降に台頭したこれら新興の富裕層「新ロシア人 (ノーヴィ・ルースキー)」には、10年前の「アルミ戦争」のような利権闘争の生き残りもいれば、ヘッジファンドを渡り歩いて一財産築いた青年投資家もいる。

 それにしても、なんたる変わりようだろう。モスクワを初めて訪れた1973年には、日没後の市内は死んだように人気がなくなったものだ。通りでは、しょっちゅう故障してばかりの国産車「ジグリ」をたまに見かける程度だった。

 がらんとした赤の広場には、レーニン廟の衛兵とブレジネフ書記長のむっつり顔を描いた看板が立っているだけで、「共産党は労働者階級の前衛部隊」と大書した横断幕が掲げられていた。そんな中で育った現在の新ロシア人が、情熱を爆発させ鬱積したエネルギーや欲求不満を発散させているのは無理もない。

 ロシア人の行動は、とにかくこれ見よがしで派手だ。ツタのからまる邸宅で先祖譲りの財産を後生大事に守って暮らすタイプではないし、手あかのついたルーブル札は大きらい。手の切れるような100ドル札がじゃんじゃん入ってきて、それを湯水のように使えれば申し分ない。

 考えてもみるがいい。なにしろ、彼らの金勘定の単位は数十億ドル。そんな途方もない富を手にしたら、いったいどうやって祝ったものだろうか」

 スミスさんは問いかける。その答えは、40歳代以上の日本人にはとてもわかりやすいものだ。

 シャンパンで乾杯するなら何杯分? キャビアだったらどのくらい? ……泡のようなお金が行き着く先は、いつの時代でも、妖しく誘う夜の大人の世界だ。スミスさんのレポートは続く。

 「こうして「クラブ」なるものが考案された。クラブに来れば、成金たちは心ゆくまで“札びらを切る”喜びに浸れるし、入り口に立つ用心棒が場違いな人間を締め出してくれる。客の懐具合や社会的地位、さらに銃を持っているかどうかまで、ひと目で見抜く。

 市内の「GQバー」が今はやりのクラブなのは、路上にずらりと並ぶベントレーやランボルギーニといった高級外車を見れば一目瞭然だ。私はライターのラナ・カプリズナヤとジャーナリストのイゴール・トルスチコフと一緒にこのクラブを訪れた。

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