• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

神々の庭「大雪山」の肖像

あらためて考える「自然への愛」のあり方

  • 藤田 宏之

バックナンバー

2008年8月29日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 以前、ある民俗学者から、「古来、農村で神社をたてる場所というのは決まっていました。それは山との境目です。里と山を分ける“結界”を設けるためです」という話聞いたことがある。文字通り、そこより先は聖なる世界である、という印が神社だというだ。

 里に暮らす人間にとって、山は確かに危険に満ちた場所だ。道らしい道はなく、一度迷ったらでてこれない。夜になれば獣たちが闊歩して、人は襲われる。美しい景観を生み出している崖や急流は、人間の侵入を拒む天然の要害でもある。



沼と緑が織りなす沼ノ平の光景。ところどころで色づき始めた木々が、荒涼とした湿原に彩りを添える。
沼と緑が織りなす沼ノ平の光景。ところどころで色づき始めた木々が、荒涼とした湿原に彩りを添える。

 現代の世の中にも、山岳信仰が根強く残っている理由もそんなところにあるのではないか。危険で、神秘的だからこそ、人々を引きつけるのだろう。

 「ナショナル ジオグラフィック日本版」の8月号では、そんな神々が宿る日本の山の1つ、大雪山を特集した。日系人写真家のマイケル・ヤマシタさんがとらえた大雪山国立公園の姿。神々しいシルエットを眺めていると心が洗われる思いがしてくるのは、私だけだろうか?

 北海道の中央部に位置する大雪山国立公園は、広さ2300平方キロとわが国随一の広さを誇っている。その大部分を占める原生林は、いまだに人を寄せ付けない。旭岳や十勝岳という2つの活火山のすそ野に広がる豊かな森林は、シカや野鳥、野ウサギ、ヒグマなどのほか、貴重な植物の宝庫だ。

 夏の間、山頂は週末の登山を楽しむハイカーでにぎわう。サンドイッチやおにぎりを食べ、冷たいお茶を飲んで、疲れた身体を休めている老若男女。ここを訪れる観光客数は年間600万人強。日本に29ある国立公園の中では決して多い人数ではないが、紅葉や温泉をはじめ、登山やスキーも楽しめるので、観光客は年中絶えることがない。

 山頂からおりていく道沿いは、しばらくは赤く風化した岩だらけの荒涼としたパノラマ。中腹に差し掛かると色とりどりの草花が咲き乱れる。白いイブキトラノオの花、かつてアイヌが毒矢に用いた紫色のトリカブトの花、赤や青の実をつけた低木の茂み。山道の脇を流れる川のほとりには、ミズバショウとフキが彩りをそえている。

「「ナショナル ジオグラフィック日本版」編集長の「地球からの報告」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長