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成功するビジネスモデル・イノベーションとは

2008年9月5日(金)

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 前回は、2008年が「国際ポテト年(International Year of the Potato)」であることにちなみ、19世紀アイルランドを襲った、ポテト単作を遠因とする大飢饉についてご紹介した。経営の世界でも「うまくいっているビジネスモデル」への過度の選択と集中が、時として危機をもたらす。したがって成功したビジネスモデルを有する企業ほど、「意図的に」ビジネスモデル・イノベーションを図ることが極めて重要だ、ということも述べた。

 では、ビジネスモデル・イノベーションとはどのようなものであり、どうやって実現していくのだろうか。

 まず、ビジネスモデル・イノベーションを定義しておこう。

全社的な構造変革を伴うビジネスモデル・イノベーション

 ビジネスモデルというのは、企業の「価値提供の仕組み」とそれを支える「オペレーションの仕組み」からできている。

 例えばあるメーカーは、「特定の顧客(例:日本のマス層のうち、価格志向の強い層)にとって魅力的な独自商品(例:競争相手と同程度以上の機能だが、低価格)を販売」して価値を提供する。
 
 これを可能にしているのは、「人件費の低い国での組み立て加工を中心とした生産・物流体制」であり、「常にコスト低減を継続できるPDCA(Plan-Do-Check-Act)システム」や「低価格実現を軸にした研究・開発・生産・マーケティングの組織横断協力」といったオペレーションの仕組みだ。

 この「価値提供」と「オペレーション」の仕組みの構成要素を(通常は、複数)変更し、自社の競争優位性を大きく強化することを、ビジネスモデル・イノベーションと呼ぶ。大抵の場合この構成要素変更は、ドラスチックなものだ。したがってビジネスモデル・イノベーションとは、単に従来の延長線上で新しい商品を出すこと、あるいは新技術を導入することではなく、全社的な構造変革を伴うものだ。

 メーカーの場合、ここ数年見受けられるビジネスモデル・イノベーションの典型例は、プロダクト販売業からサービス事業への大転換だ。

 米GE(ゼネラル・エレクトリック)を例に挙げてみよう。GEの航空機エンジン事業は、1980年代初頭には、7割近いシェアを持つ米プラット&ホイットニーの約4分の1程度の規模に過ぎなかった。これが2000年前後には、シェア5割を越え、プラット&ホイットニーや英ロールス・ロイスといったライバル企業をはるかに引き離したリーダーポジションを獲得するに至った。

 この大きな原動力となったのは、航空機エンジンの販売というモデルを、航空機エンジンの保守サービスと金融サービスを一体化させたビジネスモデルに転換させたことだ。

 当初新しいモデルを考案したのは、GEの競合であるロールス・ロイスだった。「エンジン稼働時間当たりで、支払い価格を決める」、すなわちエンジンの稼働レベルを保証し、購入した後に、故障などで実際の稼働が一定レベルを下回った時は支払い価格が下がるような仕組みが考案され、航空会社の支持を得たのだ。

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「成功するビジネスモデル・イノベーションとは」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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