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食を支える「土壌」が危ない!

地球規模での飢饉に備えよ

  • 藤田 宏之

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2008年9月5日(金)

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 世界の農地が浸食や砂漠化で失われていく。恵みの大地を取り戻すために有効な手立てはあるのか--。「ナショナル ジオグラフィック日本版」9月号では、その答えを探して世界中の「土壌」がさらされている厳しい現実をレポートした。

 巨大なトラクターが轟音をたてながら、トウモロコシ畑を走っていく。米国中西部のウィスコンシン州で開かれた試乗会の会場は大盛況。ハイテク制御の新型トラクターを見て、集まった農場主たちは顔をほころばす。



夏の終わり、米国ウィンスコンシン州のクーンクリーク流域では、なだらかな起伏に沿って森と牧草地、トウモロコシ畑がのどかな田園風景を織りなす。
夏の終わり、米国ウィンスコンシン州のクーンクリーク流域では、なだらかな起伏に沿って森と牧草地、トウモロコシ畑がのどかな田園風景を織りなす。

 だが、耕作を助けるはずの機械が、長い目で見れば、母なる大地を痛めつけてしまうのかもしれない。この世界有数の沃野は、水や空気をたっぷり含んだ、やわらかな表土に覆われている。重い農機が通ると、土の中の水分が押し出され、地盤が踏み固められて、石のようにかたくなってしまう。「圧密」と呼ばれる現象だ。

 地面がかたくなると、植物が根を張れなくなるだけでなく、雨水が地中にしみこまずに表面を流れて、土を浸食する。圧密が地下深くまで及べば、元に戻すのに何十年もかかる場合もある。農機メーカーは、巨大なタイヤを採用して加重を分散させたり、衛星で制御して走行ルートを制限したりと、各種の対策をとっている。それでも、大型の農機を使う経済力のある国々では、圧密は深刻な問題となっている。

 だが、これは土壌を劣化させる一因にすぎない。発展途上国では、人間の活動が浸食と砂漠化を引き起こして、あちこちで耕地が失われ、2億5000万人の生活に直接の影響を及ぼしている。オランダの国際土壌情報センター(ISRIC)の推定では、2000万平方キロ近い土地が人為的な要因で劣化したという。これは北米の面積にも匹敵する広さだ。

 今年の食料不足で、アジアやアフリカ、中南米では暴動まで起きた。その一因に、地球規模で進む耕地の縮小と土壌の劣化がある。2030年には、世界の人口は83億人に達する見込みだ。国連食糧農業機関(FAO)の試算によると、それだけの人々を養うには、穀物の収量を3割ほど増やす必要があるという。



米国カンザス州。同地の牧場主が手にしているのは、牧草のビッグブルーステム。土はもともと河床に堆積したもので、表土が厚くて肥沃。
米国カンザス州。同地の牧場主が手にしているのは、牧草のビッグブルーステム。土はもともと河床に堆積したもので、表土が厚くて肥沃。

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