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米メジャー・大家投手が子供たちに語る「夢」

スポーツができる社会貢献とは?(上)

2008年9月11日(木)

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 8月18日、米ノースカロライナ州シャーロットのダグラス国際空港に、日本から来た10歳から17歳の6人の子供たちが降り立ちました。彼らは、米メジャーリーグで日本人2位の通算50勝を挙げている大家友和投手が毎年開催しているチャリティー学習体験ツアーに招待された子供たちです(日本人1位は、今シーズンで引退した野茂英雄投手の123勝)。

今年の学習体験ツアーに参加した6名の子供たち

今年のドリームツアーに参加した6名の子供たち

 現在マイナーで登板しながらメジャー再昇格を目指している大家投手は、メジャーリーガーになって以来毎年このツアーを続けており、参加者は合計90人にも上ります。応募者は、「私の夢」をテーマにした作文を基に、面接で最終選考されるのですが、その多くは親元から離れて児童福祉施設で暮らしている子供たちです。

 約1週間のツアーでは、現地の子供たちと交流したり、米国で夢に向かって活動している日本人の話を聞いたりします。もちろん、大家投手と接する機会も多く、個別面談まで体験できるのです。

 このツアーの開催趣旨は、子供たちに「志を高く持ち、夢を追い続けること」の大切さに気づいてもらうこと。これは、エリートとは言えぬ“雑草街道”を歩みながらも、「メジャーリーガー」という夢を持ち続けた大家友和という野球選手の等身大の生きざまをそのまま投影していると言えるかもしれません。

日本球界をリストラされ、単身米国に

 大家友和、32歳。1976年、京都で未熟児として生まれた大家投手は、幼少期は体が弱く、病気と格闘する日々を送ります。8歳の時に両親が離婚。以後、男ばかりの3人兄弟(大家投手は2男)は母親1人の手で育てられますが、家計はお世辞にも楽と言えず、この経験が人生を決定づけることになります。

 運動音痴でスポーツ嫌いだった大家投手が、当時大流行した野球漫画「ドカベン」に触発されて急に「野球をやりたい」と言い出したのは小学校3年生の時でした。大家投手はこの時、多くの野球少年がそうであるようにプロ選手になることを夢見たのですが、その理由は他の少年と違ったものでした。

 「プロになって家族の暮らしを楽にしたい」

 家計を助けたい一心から小学校・中学校と野球を続けた大家投手は、創設間もない京都成章高校に進学します。学費は兄・健一さんからの援助でした。健一さんは、弟を私学に通わせるために、稼ぎの良い職場を求めて転職しました。学費補助に際し、健一さんが出した条件があります。

 「高校野球の集大成として、プロ野球の入団テストを受けること」

 惜しくも甲子園出場は逃すものの、大家投手は兄との約束を果たし、1994年にドラフト3位で横浜ベイスターズに入団します。1994年4月29日、1軍デビュー2戦目にして早くも初勝利を手にします。

 しかし、日本球界で上げた勝ち星は、この1勝だけでした。5年間在籍して、1勝2敗。これが、大家投手の日本球界での公式記録です。小さい頃からの夢であったメジャーリーガーを目指して大家投手が海を渡ったのは1999年初春のことでした。

日本で1勝の男が、日本人最高年俸投手に

 今でこそ、日本で活躍した選手が海を渡りメジャーに挑戦することは珍しい光景ではなくなりました。しかし、1999年といえばイチロー選手も松井秀喜選手もまだ日本におり、当時メジャー入りしていたのは野茂投手や長谷川投手、伊良部投手など、日本で実績を残した一流投手に限られていました。常識で考えれば、日本でたった1勝しか上げられなかった投手がメジャーリーグに挑戦することは「無謀」だったのかもしれません。

 実際、彼が「メジャーを目指して米国に行く」と言った時、周りの反応は冷ややかなものだったそうです。しかし、彼はそれを意に介しませんでした。

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「米メジャー・大家投手が子供たちに語る「夢」」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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