• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“無限に”リスクを取る種族の破綻

今の投資銀行はもはやなくなる

  • 神谷 秀樹

バックナンバー

2008年9月18日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今年に入りベアー・スターンズとリーマン・ブラザーズが破綻し、メリルリンチが破綻寸前ギリギリセーフでバンク・オブ・アメリカ(BOA)に吸収合併された。

 米国の独立系大手投資銀行で残るのは、とうとうゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2つになってしまった。と言っても、モルガン・スタンレーは、いったんディーン・ウィッター・ディスカバリーに買収されている。米国の投資銀行に未来はあるのだろうか。

 歴史を振り返ると、かつてロンドンでは「マーチャントバンク」と呼ばれる小型の投資銀行が、その知恵とネットワークで、全盛を極めていた。SGウォーバーグ、J・ヘンリー・シュローダー、ベアリング・ブラザーズなどが栄華を極めていた。だが、英国で起きたビッグバン(規制緩和)とともに、すべてなくなった。

 米国のホールセール(法人)専門の商業銀行には、かつてコンチネンタル・イリノイ、バンカーズ・トラスト、モルガン・ギャランティー・トラストがあった。コンチネンタルは破綻し、残りの2つはそれぞれドイツ銀行と、チェース・マンハッタン銀行(その元はケミカル銀行。現在はJPモルガン・チェース)に買収されてなくなった。

「今日の利益は僕のもの、明日の損は君のもの」

 こうして見ると、投資銀行とは消滅していく種であり、今後のウォール街がかつてのような姿に戻ることは決してないだろう。投資銀行はなぜ、消えていく運命にはまったのか。今回のケースから言えることは、比較的単純だ。

 「リスクを取りすぎ、リスクをマネージできなかった」からである。信用リスクも取りすぎたし、資金調達リスク(アベイラビリティーリスク)も取りすぎた。それではなぜそんなにリスクを取り、またリスクをマネージできなかったのだろうか。

 他人の金をノンリコース(有限責任)で使える時、投資銀行家とは無限にリスクを取る種族である。なぜなら「今日の利益は僕のもの」(高いボーナスで持ち出すことができる)、一方「明日の損は君のもの」だからである。

 バランスシート(貸借対照表)が腐ろうと、資金調達が続かなくてほったらかしにしようと、それは彼にとって関係ない。リーマンを潰したファルド会長の昨年のボーナスは4000万ドル、メリルを辞めたオニール前会長の退職金は1億2000万ドルだった。会社が傾こうが、潰れようが、いったん持ち出した金を返すことはない。

きっかけは株式公開

 筆者が1984年にニューヨークに来てゴールドマン・サックスに入った時、同社はジェネラルパートナーが無限責任を負うパートナーシップの会社だった。このような所有形態であれば、リスク管理は、自ら完璧を期す。

コメント9

「神谷秀樹の「日米企業往来」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授