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リーマン破綻と大統領選キャンペーン

景気対策と「率直な疑問」

2008年9月18日(木)

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 米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻は、さまざまなタイミングを測って「引き金を引かれた」ように見えます。米当局は先週、米連邦抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を接収した後、15日にリーマンの救済を見送り、翌16日に保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済を発表。日米欧の中央銀行が金融市場の動揺を抑えるため、短期市場に放出した資金は15~16日の2日間で約36兆円に達し、日銀は17日にも2回にわたり計3兆円の資金供給を行っていますが、市場はいまだ深刻な不安を抱えたままです。

 情報の観点からは、米国が大統領選挙直前のこの時期にリーマンを破綻させていることが目につきます。というのも、9月4日に米共和党大会が終わり、マケイン・ペイリンの正副大統領候補が決定、すでに党大会が終了している民主党のオバマ・バイデン陣営と、それこそ「メディアジャック状態」で各種マスコミに露出しているさなかでの、金融破綻の情報発信だったからです。

 中国の休日に破綻が発表されるなど、当局は非常に慎重にリリースをコントロールしている。ドルの先行き不透明感が漂う中の大統領選挙、民主・共和両党候補とも声高に強気の米国を強調する情報を発信、米大統領選挙というので、各国ともその情報を伝えざるを得ない中で、あるものは救済され、あるものは切られました。

 これから9月26日、10月7日、14日と、計3回のテレビ討論が予定されている、まさに「広告代理店ポリティクス」の最たるものですが、この大統領選挙というキャンペーン全体が、情報の観点からは、総体として金融不安への対策の1つになっていることも注意しておく必要があると思います。

「不安」と「期待感」の情報ポリティクス

 選挙による情報合戦が一時的な景気対策になるというのは、まるでどこかの国にもあるようなお話です。しかし日本の場合は、自民党の総裁選も総選挙も、日本経済を支える道具にはなっていない。これはこれで大きな問題と思います。

 しかしもっと本質的には、情報で浮沈する資産経済以上に、金融不安が実体経済にどのような影響を与えてしまうかを、より慎重に検討する必要があるはずです。

 そもそも、発生の起源にさかのぼれば、金融市場とは経済成長を加速度的に助ける頓服薬として作られ、自らも成長し、内外経済をも育ててきた側面のあるものです。もっと言うなら、成長という「夢」を見せることで、現実に資金が調達できた時期があった。夢が実態を欠いて過剰に膨張すれば、脆弱な「バブル」はやがて破れざるを得ない。しかし、この「夢」あるいは相場への「期待感」(岩井克人氏なら「欲望」、ケインズなら「有効需要」と表現するのでしょうが)が、経済を回転させる本質的な動因であるのも事実です。

 「アメリカンドリーム」という言葉もある通り、米国、ないしドルという通貨はは様々な「夢」を背負うことで立っています。しかし「夢」「期待感」と「不安」とは背中合わせ。ここで情報戦というポリティクスが経済に直結することになる。大統領選挙ではオバマ候補もマケイン候補も、揃って景気対策を政策の柱とし、具体的には(戦争を含む)公共事業以上に、大規模な減税案を掲げている。減税は必然的に財政を圧迫するものです。

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