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「月光族」だけでない消費行動が見えてきました

  • 原田 曜平

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2008年10月2日(木)

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 前回、マクロな視点から見る「80后」の姿をご紹介しました。彼らがこれまで中国大陸には存在しなかった“超新人類”であることは、お分かりいただけたかと思います。

 調査は2007年12月から2008年4月に行いました。前回の調査概要に記したように、上海、北京、杭州、寧波、香港、澳門、深センといった都市部の地域で、実際に家庭訪問調査などを行った43人のほか、彼らの友達など総勢100人近くの80后に、様々な形でインタビューを実施しました。

 その結果、中国「80后」の生々しい素顔が浮かび上がってきました。その実態を詳しく述べる前に、若者の調査というものが、どれほどたいへんな作業であるかについて触れておきたいと思います。ほんのちょっとだけですが、私が中国で多くの若者たちにインタビューをした時の苦労話を聞いてください。

日本人の“おじさん”との間に立ちはだかる壁

 前回も述べたように、私は長らく日本の若者研究をしてきました。日本の若者研究をしていた時も似たような困難を感じましたが、どこの国でも世代の壁は大きいものです。年上の“おじさん”に、若者の心を開いてもらうことは大変なことです。特に今回のように、相手が私のような外国人(日本人)となると、壁の厚さは相当なものです。

 例えばFGI(フォーカス・グループ・インタビュー)。4~5人のインタビュー対象者を同じ場所に集め、モデレーター(司会者)が若者に質問をしていくといった手法です。私も中国での調査で、何度かこの手法を用いたのですが、なかなかうまく若者の本音を聞き出すことができませんでした。

 調査対象者として集められた若者たちは、通常は、お互い面識はありません。面識がない一方、世代が同じということもあって、お互いに牽制し合ったり、メンツ文化がある中国らしく、見栄を張って大げさなことを言ってしまったりすることがあります。

 また、これは日本での調査の際も同じなのですが、調査対象者が調査に協力する動機は、単なる「お小遣い欲しさ」であることが多い。そうなると、面倒臭い調査は少しでも早く終わらせたいと、適当な答えをする人もいます。見ず知らずのおじさんに根掘り葉掘り質問されるわけですから、ただただ萎縮して、ほとんど話せない子もいます。

グループインタビューでは本音は聞き出しにくい

 私は中国での調査はじめ、若者に対する調査としてはこのFGIはあまり向いていないと思っています。調査会場で行う、通常、たった1時間程度のインタビューでは、若者の本音を聞き出すのは難しいことです。

 もちろん、聞く内容にもよるのですが、彼らを根本的・多角的に理解しようとするために、恋愛観やら親子・友人関係、収入・お小遣いやら、個人的な生活にまで踏み込んだ調査内容になると、FGIではなかなか本当のところが見えにくいのです。

 それよりも、ファストフード店でハンバーガーを一緒に食べながらでもいいですから、同じ対象者の若者に何度も何度も会い、お互いの信頼関係を深め、自宅まで行かせてもらう。そして、その子の仲の良い友達を紹介してもらう――。こうした一見、効率が悪いように見える地道な調査こそが、真の若者分析に役立つのです。

自分たちのことを「語れる」先端層を狙う

 もう1つ言えば、ごく普通の若者のことを知ろうとする場合でも、その年代の中で目立っている先端的な若者にインタビューすることをお勧めします。

 ここで先端的と言うのは、とてもおしゃれである、頭がとても良い、友達がたくさんいる、スポーツがよくできる、一芸に秀でている、仲間内で目立っている……といったものです。若者のオピニオンリーダー的な、ちょっと尖った層を指します。

 なぜなら、大人に比べると、若者はボキャブラリーが少なく、他人に対する説明能力が低いという点があるためです。これを補うには、コミュニケーション能力や自己表現に優れた先端層を分析することが効率的なのです。

 なぜなら、これは日本でも同じことが言えるのですが、長年若者研究をしてきた私の経験から言うと、ある分野で尖った先端層は、自分たちの世代を大人に分かりやすいように客観的に語れる翻訳者が多いという傾向があるためです。

 反面、大多数を占める普通の若者には「尖り」がなく、ボキャブラリーも少ないため、彼ら世代の変化をおじさんたちが感じ取ろうと思っても、なかなか難しくなってしまうのです。もちろん、インタビュー対象者の全部が尖った層だけでは偏ってしまいますが、我々が若者を知ろうとする理由は、社会学であれ、マーケティングであれ、自分たち世代にはなかった現象、つまり「変化」を発見するためなので、まずは仮説を作るためのとっかかりとして、翻訳者になってくれる先端層を見つけることは、かなり効果的です。

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