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新興企業復活の道は成熟化に

2008年10月6日(月)

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 7年目の夏は急に冷え込んだのか…。
家賃保証大手で東京証券取引所マザーズ上場のリプラスが9月24日、破綻した。

 2002年9月設立で、2年後の2004年12月には、早くも上場。その超スピードぶりも大したものなら、設立の年(2002年12月期)、わずか1300万円の売上高を5年で351億2800万円(2007年12月期、営業利益33億7300万円)に急膨張した成長ぶりもまた瞠目である。

 その輝きが突然、暗転した。しかも、今年2月16日時点では売上高を前期比倍増の700億円と見込んでいたが、半年後の8月9日には一気に400億減の300億円に大幅下方修正。急激に落ち込んでいった。

 過激なほどの膨張と縮小。その落差の中に何があったのか。傘下に加えてREIT(不動産投資信託)や不動産の再生・開発事業が引き金になったとも、賃貸住宅の入居者の契約時に家賃の滞納時弁済保証をするというもう1つの事がビジネスモデルが壁にぶつかったともいう。

 前者、つまり不動産の再生・開発やリートなどの事業は、不動産の発掘、買い付けに関するフィーが当初見込みを大幅に下回ったのが誤算となった。裏にあったのは、銀行からの資金調達が急激に難しくなった「信用収縮」。事業利益の中心であるオフィスビルなどの発掘、買収と転売によるフィーが、これで一気に縮小したと見られる。2558億円の負債を抱えて8月に破綻したアーバンコーポレーションとほぼ同様の“転落”である。  そして、もう1つの家賃保証事業は、これまで債権の証券化で資金調達をしてきたが、これも金融市場の混乱で急速に難しくなったという。

 加えて、ここは直接同社のことを言うわけではないが、家賃保証業者の増加と共に、市場で入居者審査が甘くなり始めていたとの指摘もある。

 審査の変化の背景にあったのは、不動産市況の回復と共に、特に首都圏で燃え上がったマンションブーム。都心、郊外に大量の投資用物件が供給され、市場には入居者を何とか確保しようとする雰囲気が広がっていったという。

 その危うい拡大市場での“勝ち組”、リプラスの強さといえば、入居者から入居時に月額家賃の半額と年間保証分1万円、翌年からは年間分1万円という低料金に、審査も数時間、承認率90%といういずれも破格のサービス。それがいかに強烈かは、同社が自ら自社サイト上に掲げる、信販会社の保証期間:2日、承認率:65%、保証料:家賃の1%程度(不動産管理会社負担)というそれを見れば分かる。

 実態がこの通りなら、即決(数時間)で、申し込みのほとんど(90%)が承認され、保証料も割安な方が強い。

ブレーキの経営がない

 新興企業・新興市場は今、不振にあえいでいる。

 東京証券取引所マザーズや、大阪証券取引所ヘラクレスの株価指数は8月からたびたび算出来の安値をつけ、ジャスダック証券取引所や、札幌、名古屋、福岡の各証券取引所の新興市場も株価は停滞を続けている。

 要因の1つは、当然ながら「下方修正が相次ぐ業績の悪化」(野村証券の中小型担当ストラテジスト、元村正樹氏)だが、景気の減速と信用収縮がそれを更に下押ししていることが大きい。 株価と業績の下落が目立つ企業には、不動産やディベロッパー関連が目立つが、それも「銀行の貸し渋りなど信用収縮と景気減速による消費の低迷が影響している」(同)ためだろう。

 例えば、今年半ば以降破綻したスルガコーポレーション(6月末)、真柄建設(7月)、キョーエイ産業(同)、ゼファー(同)、三平建設(同)、アーバンコーポレーション(8月)、総研ホームズ(同)など、ほとんどが不動産関連。前出のリプラスもそれに続くものだった。

 リプラスの場合、アーバンコーポレーションに比べれて負債は325億円と小さいが、今の新興企業不調の要因をむしろ端的に表しているとは言えないか。

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「新興企業復活の道は成熟化に」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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