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ソニー 「夢(DREAM)は再び開く?」 第3回

成否問われる星座経営 90年代に相次ぐ“激震”

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2008年10月15日(水)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。この欄ではそのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、現在にも通じる企業戦略を選び、毎日掲載していきます。第2回はソニー。

 日本を代表するベンチャーの星、ソニー。ウォークマンからVTR、プレイステーションと次々とヒットを飛ばし、「SONY」のブランド力は外国でも知らない人がいないのではと思うほど強い。音響機器からゲーム、映画、金融と手がける事業も拡大、2005年には外国人トップが誕生するほど国際化も進んでいる。しかし、最近は業績も振るわず、高い期待を持つ消費者や株主には失望も。世界ブランドはその輝きをさらに増していけるだろうか。(ソニー編は5話完結です)

第3回

 「消去法で選んだ」。95年、ソニーのトップは出井伸之社長に引き継がれる。当時ソニーは各事業トップに裁量を与える「カンパニー制」を導入、出井社長の役割が注目された。出井社長は「デジタル・ドリーム・キッズ」の標語を導入。ネット社会を視野に入れ、デジタル革命時代の王者を目指す。

* * *

特集 ソニーの針路

1995年4月24日号より

米映画不振,超円高による90年代2度目の激震の最中に新社長が登場。
高イメージでハード,ソフト部門を包む独特な経営体制に変化も。
カンパニー制で自立の動きが強まる中,求心力の強化が課題になる。

インタビュー
出井 伸之氏[ソニー社長]
創業精神,海外子会社にも企業文化融合で新しい強さ

(写真:村田 和聡)

 新社長としてまず取り組むのは,国内工場の生産体制の見直しだ。過去からの円高に伴ってソニーの海外生産比率は40%以上に達しているが,1ドルが80円台という状態では新たな対策が必要になる。

 生産再編は現在の円高だけが理由ではない。技術のデジタル化によるICの利用で製品の部品点数はどんどん減っている。多くの部品を使うアナログ技術の時代に建てられた工場が果たしてこれからの時代に合ったものかどうかは疑問が残る。

 またAV(音響・映像)メーカーから総合エンターテインメント企業への移行を目指すソニーの中長期目標から考えても,組み立て工場が売り上げに貢献する比率は減っていくだろう。分社化されている工揚がそれぞれの業界で競争力があるかを点検する意味もある。

 もちろん,工場の扱いは5年や10年という長い視野から考えなくてはいけない。終身雇用を前提に働いている従業員の雇用や大企業としての社会的責任は無視できない。それが原因で体力的には限界でも工場を閉鎖できないカンパニーもあるかもしれない。ただ,例えばグループ企業のソニー・ミュージックエンタテインメントに勤めている社員は一生そこで働こうという考えはないだろうし,ソニ一本社の中にもそういう人はいるだろう。

 個人的には「なりふり構わぬ時代」が来たと思うが,どう解決方法を出すか,各カンパニーのプレジデントと早急に話し合う。同時に海外移転による本社組織の人員やマネジメントのあり方も検討する。

 大賀会長は社長時代に「良いモノを他社より安く作る」というこだわりで,ソニーを世界ナンバーワンのAV企業に育て,ソフトビジネスの展開も進めた。すでにソニー・ミュージックやソニー・コンピュータエンタテインメントは強い企業に育っている。

 ただ,それぞれの企業はソニ一本社とは違った文化の中で仕事をしているので,すぐに本体と合体して効率的にマネジメントできない。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントにしても「ソニーは買っただけ」と米国の新聞に批判されたが,余計に口を出せばかえってうまくいかない。

 僕らの時代には盛田昭夫前会長や大賀会長のように1人の天才が経営を引っ張るのではなく,それぞれの専門家のチームづくりが重要だ。「ソニー星座」みたいなのができて,それをソニー・スピリットでまとめていけるといい。「世の中に期待されているモノを生み出す」というソニーの創業精神をソフトの世界や海外子会社にも適用する形に発展させていけば意識統一ができるし,将来それぞれの企業文化が融合した時に新しい強さを発揮できる。ただ,ソニー・スピリットでソフトをまとめていくにはまだ10年や20年の時間はかかりそうだ。

 ソフト,ハードの両部門の真ん中に大きなディストリビューション(流通)の領域がある。5年後には訪れる“デジタル革命” に備えて,そこにビジネスとして入りたい。有望なのは電子出版。郵便に対して電話が,新開に対してテレビが登場したのに活字出版の対極は空いたままだ。AV分野でナンバーワンの生産力がある間に,そういう分野に進出していきたい。(談)

 「高イメージ」で彩られた袋の中に,エレクトロニクス関連ハード製造,娯楽ソフトという2つの事業体が入っている――。ソニー・グループの姿をおおざっぱに見ると,こんな形だ。連結売り上げ約3兆7000億円(94年3月期)のうち,エレクトロニクス部門が78.9%,娯楽部門が21.1%を占める。これにイメージを加えた3つの要素で成り立っている。

 カンパニー制の導入,出井伸之新社長の登場は,ソニー独特のシステムを維持するための新たな布石である。ただ,そこには危うさも含んでいる。

* * *

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