アマゾンジャパンのディレクター オンライン トラフィックの、紣川謙氏に、アマゾンジャパンのモバイルに対する取り組みの現状と、モバイルECを成功に導くポイントを聞いた。
紣川氏は11月5日に開催するネットマーケティング関連の大規模イベント「NETMarketing Forum Fall 2008」で、「Amazon.co.jpのモバイル・ビジネスについて」と題した講演を行う。(杉本昭彦=日経ネットマーケティング編集)
――Amazon.co.jpのiPhone/iPod touch向けサイトをいち早く開設した。その狙いは。
紣川:初代のiPhoneは2007年6月に発売され、アマゾンはiPhone向けサイトを米国で2007年8月に、欧州で2007年9月にオープンした。そのため、日本でもiPhoneの発売後早期にサービスを提供することができた。
アマゾンジャパンの紣川謙氏
アマゾンの基本的な考え方は、パソコン向けサイトで展開する多様な機能やサービスを、ケータイやiPhoneを使う人にも提供したいということ。端末に適したインターフェースで提供し、当社が最も重視する顧客満足度を高めることが狙いだ。
――iPhone向けサイトはどこが違うのか。
紣川:iPhoneは「指先スクロール」が(ほかの端末との)一番の違いだ。Amazon.co.jpのお薦め商品のスクロール表示、商品写真の拡大表示など、直感的に、スピーディーに、楽しく操作できるのがポイントになる。そこで、プルダウンメニューの文字を大きくしたり、1ページ当たりの情報量を少なくして読みやすくしたりといった工夫をしている。
――iPhone向けサイトへの反響は?
紣川:メールで意見をもらえるようにしているが、非常に好評だ。「毎日見たくなるようなサイトだ」など、見やすいという意見が多い。そこは狙い通りだった。iPhoneユーザーは新しいもの好きで、最先端の機器・サービスを使いたいと考える人が多い。周囲への影響力の大きい人も多く、購買意欲の高い人でもある。
――パソコン向けサイトと利用方法や売れ筋などに違いは?
紣川:iPhoneに限らず話をすると、ケータイユーザーには若年層が多く、10〜20代で60%を占める。パソコンはもう少し年齢層が高い。ケータイでよく買われる商品はエンターテインメント系で、CD、DVDやゲームを買う人が多い。そこでトップページでは、ユーザーの行動履歴によるお薦め商品に加え、新着ゲーム、CD、DVDなどをお薦めとして表示している。
また、(商品数が膨大で)情報量が多いので、ケータイ向けサイトの各ストアのページでは、探す商品に直接ナビゲートできる検索機能を優先している。パケット定額制が普及したとはいえ、「ダブル定額」など従量制の要素が残っている。できるだけクリック数を少なく商品を購入したいというニーズは根強い。
――モバイルEC成功のポイントはどこにあると考えるか。
紣川:端末のインターフェースに制約がある分、やはり使いやすさが鍵になる。iPhoneは、(内蔵ブラウザーの)「Safari」でパソコン向けのAmazon.co.jpにもアクセスできるが、iPhone用サイトの利用が多い。やはり、直感的に、スピーディーに、楽しく操作できることが大事だ。
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