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日本の製造業、サービス業に潜む光

  • 深川 岳志

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2008年10月30日(木)

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 世界が金融恐慌の予感に身構える中、東京・渋谷でふたりの社長が語り合った。ひとりは世界的な家電メーカー、島耕作(弘兼憲史)、もうひとりは外食産業から、渡邉美樹。  課長として登場しつつもフィクションの世界で大きく成長し、世界企業「初芝五洋ホールディングス」を率いるまでになった島氏と、自ら起業して外食だけでなく介護・農業へと活躍の場を広げ、アジアに進出しつつある渡邉氏。一見、重なる部分がなさそうなふたりの社長に共通するのは、実業の世界に足場を置くことと、徹底的なプラス思考だ。

 金融恐慌をはじめとする激動の未来にどう前向きに立ち向かうか、ふたりの社長が語り合う。

*     *     *     *

――本日はお忙しいところをありがとうございます。折しも、アメリカのNYダウが大暴落を記録した日になってしまいましたが、初芝五洋ホールディングスの社長として考えたときに、今回のアメリカの未曽有の金融の崩壊をどのように受け取られますか。

 大変懸念しています。議会も公的資金導入がらみで大もめになりましたね。

渡邉 ほんとに、ようやくという感じで決まりましたね。

 下院の共和党の議員は市場経済至上主義みたいなところがありますので、公的資金を国民の税金を金融界を救うためにやっていいんだろうかという判断から、ブッシュ大統領の提案をいったんは否決したんですね。おそらく否決した議員の方も、こんなに大事になるとは予想していなかったと思うんです。

 公的資金を入れるということは、決して金融界だけを救うわけじゃないんです。金融暴落は、全国民の生活にかかってきます。アメリカだけでなく、日本にも。これはもう大変なことになると、僕は今、ちょっとショックを受けているところです。電器業界はもちろん、それに伴ってすべての消費が低迷しはじめていますから。

――渡邉さんはいかがですか。

渡邉 うちは基本的に内需ですから、いきなり大きな影響が出るかというと、おそらくはそんなに出ないでしょう。もちろん無縁ではありえませんし、国内消費の低迷は肌で感じています。危機感は高いですよ。

 ただ僕は、いまの金融の動きは実際の景気をあまり反映していないところがあると思うんですよ。勝手に数字だけが動いていく。特にアメリカは、証券とか株式市場が行き過ぎていて、会社の時価総額が実勢価格をほんとに反映しているか、非常に疑問です。

渡邉 それは、これまでの上げ方も、今回の下げ方もですね。

いいモノを作るしかないが、伝え方は変えていく

 ええ。初芝五洋HDがひきいる企業群は基本的にものづくりの会社です。もちろん株主も大切なんですが、マネーゲームで動くアメリカの経済に大きく左右されないようにしたいという気持ちがあります。そのためにどうすればいいか。なんてことはない、商品を買ってくれるお客さんを第一に考えるという話になっちゃうんです。ですので、ひたすらいいものを作って、いい製品を世に出すことを考えていきたい。

 これまでも日本企業はそうだった、と仰るかもしれませんが、我々は「いいものを作る」で止まっていたきらいがあります。今後はその「いいものを作って世に出している」ことを、どうやってお客様にわかってもらうか、伝えていくか、が課題なのだと思います。

――渡邉さんから見ると、現状はいかがですか。

渡邉 まず、先ほども申し上げましたけれど、我々の居酒屋のマーケットは、現実に小さくなってしまっているんです。

 景気が反映しますからね。

渡邉 ええ。私たちの商売は「サラリーマンのポケットに小遣いがいくらあるか」という非常に現実的かつ、「余分」の部分のお金の世界ですからね。だから、景気はもちろんいい方がいい。

 ただ、サブプライム問題を見ても分かるように、実体経済じゃないものにアメリカ自体が引きずられて、ものづくりからどんどん金融にシフトしていった。今回、その金融の大きなひずみが露わになったわけです。1回は立ち直るかもしれません。いえ、公的資金を入れて、当然、立ち直るでしょう。

 でも、日本のバブル崩壊じゃないですけど、アメリカ経済がほんとに立ち直るのには5年、10年、15年という時間がかかるでしょう。そういう意味では、今日は今までのアメリカを軸とした世界の枠組み自体が見直される大きな転換の日になったんじゃないかな。

中国はとにかく話が大きい

 今、世界にはユーロ経済圏、北米経済圏、東アジア経済圏という3大経済圏がありますね。これからはやはり、一番人数の多い東アジア経済圏、インドや中国を含めたアジアのマーケットが巨大なものになるから、アメリカやユーロだけが中心になるんじゃなくて、アジア発の金融センターができると思うんですよね。

 例えば上海に新しくできた上海環球金融中心。あそこはもうすでに、いろいろな証券会社が入るように、すごく天井の高い造りにしてあります。アジアの経済発信の中核の地になるという、強烈な意志を感じますね。

 今回の暴落でこのエリアでも、入居を予定していたアメリカの金融機関からのキャンセルが出たとか、いろいろ不安要素もあります。しかし、経済の中心は今後、アメリカから、ユーロ、そしてアジアに移っていく可能性は非常に高いと思います。

渡邉 じつは先日、中国に行ったんです。株価が落ちているときに、上海のど真ん中に南京東路という歩行者天国があるんですが、ここは普段なら20代前半の子たちが元気よく歩いている。ところが、私が行ったのはちょうど株価が下がり始めた頃。すると、若い人を含めて人通りががくっと減っているんですよ。

 ほう。

渡邉 彼ら、20代の若い子たちが投資をしているんでしょうね。株式投資が生活に密着している。だから、上海では株が下がると街が空く、のではないかと。

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