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密猟で絶滅の危機に瀕するサル

西アフリカの霊長類の楽園 ビオコ島

  • 藤田 宏之

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2008年10月24日(金)

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 西アフリカの沖合に浮かぶ赤道ギニア領ビオコ島。ここは、7種のサルをはじめ、1万年以上にわたり独自の進化をとげた希少な動植物の宝庫だ。「ナショナル ジオグラフィック日本版」10月号では、現在、野生動物の肉を食べる現地の習慣がこの島の生態系を脅かしつつある実態に迫った。

 今から457年前、ドイツ南部にある古都アウクスブルクで、とても奇妙な姿かたちをした1頭の動物が公開され、話題を呼んだ。当時の記録によれば、観客に背を向けることが多かったものの、その生き物の手足の指は人間の指とよく似ていて、「陽気な性格」だったという。

 現代の生物学者たちは、当時描かれた図版から判断して、その動物はドリル(学名:Mandrillus leucophaeus)だったのではないかと考えている。ヒヒに似たオナガザル科のドリルは現在でも、野生の状態で観察するのが極めて難しい動物だ。



素速く跳躍できないために密猟の獲物になりやすいペナントアカコロブスは、絶滅が危惧されている霊長類の1つだ。
素速く跳躍できないために密猟の獲物になりやすいペナントアカコロブスは、絶滅が危惧されている霊長類の1つだ。

 だから、西アフリカの赤道ギニア領ビオコ島を先ごろ訪れた生物学者たちが、熱帯雨林でドリルの群れを見つけて、息を殺して食い入るように観察したのも無理はない。ビオコ島に生息する霊長類のなかで最も大型のこの動物は、島の南部にそびえる標高2000メートルを超すグラン・カルデラの底部で、自生しているイチジクの木に登って、その実を食べていた。

 すでにその日の朝、生物学者たちは、アカミミグエノンやクロコロブス、ペナントアカコロブスなど、ほかのサルも見つけていた。それぞれが5~30頭の群れをつくり、けたたましい声を上げている。このうちペナントアカコロブスは、あらゆる霊長類のなかで最も絶滅が危惧されている種だ。

 生物学者たちにとってビオコ島は、閉ざされた環境のなかで植物や動物がどのように進化するかを調査できる“生きた研究室”といえる。この島はアフリカ西岸のギニア湾の沖合30キロに浮かんでいて、これまで氷河期が訪れるたびに、アフリカ大陸と陸続きになってきた。最後に島が大陸とつながっていたのは、およそ1万2000年前だ。

 こうしてビオコ島は、大陸とは異なる進化の舞台としての役割を果たすこととなった。陸続きだった時期にアフリカ本土から移ってきた生物が、氷河期が終わって島と大陸が海で隔てられると、隔絶された環境のなかで、独自の進化を遂げ、数多くの亜種が生まれたのだ。



大陸から30キロ離れたビオコ島の南岸にあるドロレス岬に荒波がうち寄せる。険しい海岸線、激しい並みが島の自然を守ってきた。
大陸から30キロ離れたビオコ島の南岸にあるドロレス岬に荒波がうち寄せる。険しい海岸線、激しい並みが島の自然を守ってきた。

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