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「世界経済の減速は追い風だ」~シルクのトップが語る“Show must go on!”

ダニエル・ラマー社長インタビュー

  • 蛯谷 敏(日経ビジネス)

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2008年10月28日(火)

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 シルク・ドゥ・ソレイユの社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるダニエル・ラマー氏。もともとはジャーナリストだったラマー氏は、PR会社大手のバーソンマーステラ社長やケベック州最大のテレビ局、TVAグループの社長などを経て2001年にシルクに入社。創業者、ギー・ラリベルテ氏の後を受け継ぎ2006年に現職に就いた。ラマー社長の指揮の下、シルクはアジア地域を中心に、積極的な海外展開を進めている。

 一方で、昨今の世界経済の不透明感は、これまで順調に成長してきたシルクとも無縁ではいられない。トップの語る、シルクの進む道を聞いた。

問 米金融機関を発端にした、世界的な経済不安が収束する気配を見せません。既に世界的なリセッション(景気後退)に入ったとの指摘もある中、シルクのようなエンターテイメントビジネスの先行きをどう見ていますか?現在の経済環境は、シルクのビジネスにとってマイナスにはならないのでしょうか?

ラマー 私自身、1人の国民としては現在の経済の成り行きは非常に憂いています。ただし、シルクのCEOという立場からすると、必ずしもそれは当てはまりません。むしろ、現在の局面は、ラッキーといってもいいかも知れないですね。

 というのも、歴史的に景気の下降局面では、世の中がエンターテイメントを必要とするのです。「ああ、世の中の暗い気分をショーでも見て吹き飛ばそう」という心理が働くんですね。ですから、エンターテイメント業界に身をおいているシルクにとっては、ラッキーなんです。

世界経済の減速はシルクにとって追い風

ダニエル・ラマー社長兼最高経営責任者(CEO)

ダニエル・ラマー社長兼最高経営責任者(CEO) ジャーナリスト活動を10年以上行った後、1977年にケーブル通信会社コゲコの広報担当取締役に就任。81年にPR会社大手バーソンマーステラ社長。84年、カナダの大手PR会社ナショナルパブリックリレーションズの副社長、95年社長。その後、ケベック州のテレビ会社TVAグループ社長を4年務め、2001年シルク・ドゥ・ソレイユ入社。2006年から現職(写真:田中克佳、以下同)

 事実、それを裏付けるデータがあります。今、米ラスベガスはカジノ関連の売り上げが落ち込んでいます。これは正に、景気後退懸念の影響なのでしょう。ある推計では、ラスベガスの今年度のカジノ関連の売り上げは、10%程度減るという予想がなされています。ところが、そんな局面でも、ラスベガスで上演しているシルクのショーの売り上げは、今年度3%程度上がる見込みです。つまり、差し引き13%の成長をこの局面でも我々は実現しているわけです。

 もちろん、世界的な景気後退ですから、我々の業績にも今後はまったく影響ないとは言い切れませんが。

問 なるほど、不況でもあまり影響はないということですね。では、世界でこれだけシルクが受け入れられた理由を、どのように分析されていますか。

ラマー いくつか理由があると思います。その中でも、私が大きいと考えているのは、ショーの内容が、ユニバーサル(普遍的)で、どの国にも通用する内容だからではないかと思います。どの国でも理解できる普遍性を生み出すために、世界各国からクリエイターを招いて、ショーを作り込んでいます。

 もう一つは、これまでのところ、我々のビジネスモデルがうまく機能しているからだと思います。当社のビジネスモデルは大きく2つあります。一つは、キャッシュ(現金)を常に確保できるビジネスを展開している点です。ショーのチケットは、実際の公演に先立って数ヶ月前から売り出されます。つまり、我々は、数カ月早く、資金を手元に確保しておくことができるわけですね。そして、この資金を人材やショーの開発に充てることができるわけです。

 もう1つは、パートナーとのビジネスを積極的に展開している点です。例えば、大きな投資が必要な常設ショーの劇場建設は、パートナーの力を借りています。全額負担していただけるケースもあれば、折半投資の場合もあります。我々にとって、最も重要な投資のリスクをパートナーも負ってくれるというのは、とても恵まれています。

問 新しい資金を調達するために上場などは考えていないのでしょうか。

ラマー 先ほども申し上げたように、我々はチケットの販売で潤沢なキャッシュを確保できています。ですから、新たな資金調達手段は今のところ不要ですね。それに、考えてもみて下さい。今の状況で、だれが上場をしたいと考えるでしょうか(笑)。

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